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うちのマンションには休日に若い管理人が窓口に坐る。
って言っても中学生の私からすれば180センチ以上もある
私よりも年上であるだろう人。一見、凄く大人っぽい。

「これ、管理人さんに渡すように言われたんですけど。」

親に言付かった面倒くさい用事だけど
この人の声を聴いてみたいって思ったから引き受けた。
近くで見ると外人みたいな緑の瞳。ハーフかなんかなの?
よく見たら奥の椅子にもうひとりいた。黒髪の学生服。
あれ、隣の中学の制服じゃない?どういう関係?

「ああ、ども。確か8階の坂口さんとこの娘さんだよね?」
「はい。」

手渡した回覧板を確認しての発言。別に私のことを知ってたからじゃない。
聴いてみた声は、少し低いのに高く通る澄んだ声。優しい声。
驚いたのはそれに加わる優しいトーン。

「あ、はくー、これチェック入れて済、のとこ入れといて。」
「うん。」

黒髪の学生服の男子が立ち上がった。はくーって?名前?
その子が近づいて顔が見えた。漆黒の瞳。
こっちはこっちでぞくってする位整った顔してる。
うちのクラスの男子とかとは違う雰囲気持ってる。
愛想はあんまり、ない。

「名前、」
「ん?」
「貴方の名前は?あ、私は坂口、ひな。」
「ああ、俺もここに住んでるんだよ。11階。
 直見って言います。直見遙。土日だけ管理人やってんの。
 困ったことがあったらいつでも御相談くださいね。」
「奥の、その人は?」
「え、はく?」
「はく?」
「あ~こいつは俺の家族。一緒に住んでんだ。」

回覧板を言われたとおりに処置してまた奥の椅子に坐って
本を読み始めたらしいはく?とやらは少し顔を上げて私を見た。
さっきより少しほころんだ表情に見えた。

『管理人』

彼らのいる土曜は日曜は管理人室の前を通るとどきどきした。
目が合うと会釈をしたらなんだか頬が熱くて胸が高鳴った。
かっこいい。ってだけじゃなくて雰囲気に心奪われた毎日。
中学を卒業した。
高校になってもそんな日々が続くんだろうなって
いつかもうちょっと親しくなってお話出来ないかなって
いつかもっと親しくなって管理人室でお手伝いとかしたいなって
密かにずっとそんなこと思ってた。
太陽のように笑う遙さんと、月のように穏やかなはく?と。

高校に入る前の数ヶ月前から彼らの姿は消えた。
土日にしか見ることもできなかったのにその土日すらいない。
平日にいるおじさんが土日も退屈そうにスポーツ紙を読んでいる。
引っ越したのかな。バイト、辞めちゃったのかな。
すごく残念な気持ちでいたら4月の二週目の休日にはく?がいた。
ひとりだったけど。でもまだいたんだ。

「はく?」
「え?あ、えっと・・」
「坂口です。坂口ひな。8階の。」
「あ、うん。8階の坂口さん。どうかしました?」
「遙さんは?辞めちゃったの管理人?」
「あ、はい。うん。」
「もう逢えないの?」
「ん。すみません。遙がなにか?」
「・・・・・。」

なんでもないんだけど、なんでもないんだけど、
なんか寂しいっていうか。私、自己紹介したときも今も変な暴走してる。
なのになんでこの人たちは動揺しないんだろう。
私、絶対変な子なのに。

「あなた、はくって言うの?」
「はくう。白い雨って書いて白雨。下の名前です。
 苗字は月代って言います。」

少し驚いた。
今までの印象とは違うんだもの。
ニッカリ太陽みたいな遙と奥でいつも長い前髪をそのままに
うつむいて本を読んでいた漆黒の月みたいな白雨。
なのに今日はこの人が遙に見える。重なる。
口調に豪快さはないけれど、柔らかで穏やかで優しい。
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