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俺は、性的欲求を満たすことに不自由したことがない。
もてないほうじゃなかったから。
ちょっといいなって思う相手がいれば大抵はどうにかなった。
ちょっと冒険してみようかななんて男にも手出しかけたけど勃たなかった。

で、なんかだんだん面倒くさくなってからは右手がいちばんだと思った。
人を相手にすると余計な感情が動いて面倒くさい。
身体だけの関係でいいなんていいながら割り切れないやつも多すぎる。
期待や、嫉妬や、その後のケアや、その後の感情に、付き合うのは面倒くさい。


やるときに月代先輩の首筋を想い浮かべることが増えた。
あれ強烈だったから。
鮮やかな紅い血が先輩の白い首筋から流れる。
俺の歯型が残る場所からその血を舌で舐め取ると甘い。
すげえ官能的じゃねえ?すげえ誘惑的じゃねえ?そそられるね。

俺が舐め取るとき、あの人はどんな表情を浮かべただろうと想像する。
苦痛に歪んだ表情?甘美に浸った表情?行為に酔いしれた表情?
そんなわけないと思っていてもそれを想像するのは勝手だろ。

首筋への愛撫から始まり行為に及ぶ過程を想像して
あの人の表情や吐息や喘ぎ声まで想い浮かべてイく。
想像だけで、自分の手なのに、こんなにきもちいいなら、
本物のあの人とのセックスはどんなにきもちがいいのだろう。

あの人は男だって解ってるけど女とよりやりたい。誰よりやりたい。

『欲求』

「先輩。」
「ああ、越乃。」
気が付けば秋。
先輩に再会した紅葉の秋がまた巡ってきた。
そして来年の秋には先輩とこうして話す今はない。

「秋ですね。」
「紅葉きれいだな。
 今年も写真撮ったりしてんの?」
「してますよ。でも俺は紅葉に囲まれる先輩の写真も撮りたいんですけど。」
「去年取っただろ。」
「去年と同じじゃない今を撮りたいんですよ。
 去年と今年は似てるけど違う。
 来年と今年は似もしない。」
「越乃?」
「広夢です。」
「え?」
「去年は苗字だったけど今年は名前で呼んで下さい。」
「唐突だなー。」
「だめですか?」
「いいけど。えっと広夢、」
「はい。」
「来年と今年って?」
「ああ、先輩がいないじゃないですか。
 去年と今年はいるのに来年はいない。
 今年と来年じゃ似ても似つかないですから。」
「でも、おまえはいるだろ?」
「俺だけじゃだめなんです。
 先輩と俺が一緒に紅葉の中にいないと。」
あなたがいないと色彩がいっきに色褪せてしまう。
「写真、撮ってもいい?」
カメラを向けると困ったように笑う月代先輩がいた。
名前で呼ぶのも、写真に撮られるのも、結局聞いてくれる人。

「いいこと思いついた。」
「なんだ?」
「先輩が留年してくれればいいんですよ。
 そんで再来年、一緒に卒業しましょうよ。」
「さらりととんでもないこと口にすんなよな。」
「ふふ。だめですか?」
「聞かなくてもわかるだろ。」
「いいですよ。そんなら俺が追いつきますから。
 飛び級なんていいかもしれないですね。」
「おまえはおまえのペースでいいんだよ。」
「先輩がいないのイヤなだけっすよ。」
「俺がいなくてもおまえは大丈夫だよ。」
「先輩がいないと大丈夫じゃないよ。」
「広夢・・・」
「そうでしょ?
 最近出てない発作がまた再発するかもしれない。」
「だから俺を追うのってなんか違うよ。
 俺がいなくてもおまえはおまえなんだから。」
発作が怖くてあなたを追ってるんだと思ってる先輩。
それもあるけどそれだけじゃないんんだよ。
それ以上に強い欲望が俺を動かすんだよ。
まだ心の箱に閉じて言わない。だってあなたは逃げそうだもの。

「先輩には解らないよ。
 拠り所を失う恐怖なんて。」
「広夢・・・ごめん言い過ぎた。
 でも俺はいつもそばにいてやれるわけじゃない。
 それに俺がいなくても俺に逢わない時だって発作は出てない。
 それはおまえがおまえ自身で克服したと思っていいと俺は思う。」
「そんな都合よく・・」
「そういうのって気持ちの持ち方も大事だと思うんだ。
 否定すれば心も否定する。信じることも悪くないと思うよ。」
「それが先輩ではいけないの?」
「それは自分自身でないといけない。
 でないと俺に失望した時におまえも失望するよ。」
「先輩に失望なんて・・・」
「広夢。俺はさ、いつも毎日ほんと毎日毎日、
 飽きもせずに拠り所を、ある人を失う怖さで震えてるよ。 
 笑っちゃうだろ。あの人を失うと生きていけないほどにだ。
 そんなぞっとする思いを押し付けて生きなきゃ生きていけない弱い人間なんだよ俺。」

自分の血の気が引くのが解った。

この人ににはそこまで想う人があるということに
それを今こうして俺に話すほど強い想いだということに
強い嫉妬と眩暈を覚えた。

恋の横恋慕なんて別にどうってことはない。
もう付き合っている場合の方は簡単に奪えたりする。
やっかいなのは恐れるほどの執着を持つ強烈な片想いだ。
それを誰かにしているのがこの人の方だと言うのだからどうしようもない。

「恋してるみたいですね。」
「それよりも性質が悪いかもしれないよ。」

ああ。その想いは俺のと似てる気がした。
だったらどうにもならないものだと知らされた気がした。

「結ばれることはあるの?」
「どうなりたいかなんてものがないからそれもないな。」
「フクザツな感情ですね。」
「うん。そんな感じだな。でも、」
「でも?」
「その人が笑ってて幸せなら俺もすごく幸せだ。」
あんまり儚く優しく幸せそうに笑うから思わずシャッターを切ってしまった。
ああでも、ファインダー越しのあなたよりそこにいるあなたの方が数倍いいや。

俺はね、あなたのことをいっつも陵辱してるんだよ。
そんな綺麗に笑うあなたがが恍惚に浸って喘ぐ姿を想像してるんだよ。
だからって本物のあなたと逢ったって話したって罪悪感なんか感じない。
込み上げる感情は愛しい、愛おしい、狂おしい、欲しい、愛したい。愛でたい。

あなたをおれのてでくるわせたい。
だれかをおもうそのこころごとくるわせてこわしたい。

「月代先輩。」
「ん?」
「白雨先輩。」
「・・・なんだよ。」
「ふふふっ。」
「・・・なんかたくらんでるだろ?」
「暗示をあげますよ。」
「暗示?」
「その人を失っても俺がいますよ。」
「え?」
「だからそのときには俺のとこに来ればいいですよ。」
「ひろ・・むっぅ・・」
その唇を俺の唇でふさぐ。
暗示と言うか俺にとっては契約。
いいよいまは。あなた自身は幸せそうじゃないから。
誰かの幸せを願って幸せそうにしてるあなただから。
だからね、それを失ったら、手放したら、今度こそあなたをもらうよ。

「あなたの大切な人があなたのために幸せでありますように。」

勝手にキスしちゃって怒るかなぁって思ったけど俺の言葉に
「ありがとう広夢。」
って幸せそうに笑うんだからまいるよね。
誰かのための笑顔でさえもそそられるよ。

俺の中の化け物もなんだか納まってくれそうな気がするよ。
あなたを傷つけたら俺も傷つきそうで怖いだなんてそんな感情
俺が持ってるなんて知らなかったな。あなたには酷くもしたいけど優しくしたいんだ。
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