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ああ、まただ。

正直社会勉強させてもらってるし
金に不自由しない生活を当たり前だと思いたくないし
好きにやらせてもらってることの感謝を返したいとも思ってる。

けど、学校には普通に通いたいんだ。
休むことなく。ズレることなく。トクベツ扱いもなく。

「留学ですか?」
「と言っても我が校、遠野学園の在籍はしたままななので心配はいらないよ。
 夏休みと夏休み明けの数日をあちらのスクールで過ごしてもらうだけだ。」
夏休み明けを削られるんじゃないか。
夏休みだって削られるんじゃないか。

「俺に夏休みはないってことですか?」
「5日間はあげるよ。あちらのスクールだってみっちり授業があるわけでもない。
 生徒であり教授補佐も勤めてもらうので慣れるまで少々大変かもしれないが。」
結局は親父の手伝いを遠まわしにやりながら学べってことだろう。
いつものことだけど遥もいない今、上杉にも逢えないのは少し辛い。

「解りました。」
「よろしく頼むよ。」
「はい。あ、学長。」
「なんだね。」
「このことは、」
「内密事だよ。私用なのでね。他言は無用だ。」
「安心しました。失礼します。」

はあ。と溜息をつく。
理事室の向かいの窓からはグラウンドが見えた。
サッカー部がパス回しをしている。水品も見えた。
「青春だなあ。」
思わず笑ってしまう。
少し気持ちが和むのを感じる。
ああ俺、ギスギスしてたんだなと思う。

夏休みが潰れることが嫌なんじゃないし
あっちのサマースクールに通うのが嫌なんじゃない。
仕事を手伝うのもその働きが役立つのなら構わない。
それと引き換えにこの生き方や生活があるのなら望むところだ。

ただ、学校に通う日数が減るのは悲しい。
やっとできた居場所の限られた時間なんだ。
部活なんかできなくっていいからそれだけはさ。
つってもどうすることもできない俺は従うだけなんだけど。

遙に随分守られていたんだな、と
こんなときじわりじわり感じる。
じわりじわり胸が痛くなる。

いいこなんかじゃなかったよ、俺。
いいこでいればいい環境にあったからだよ。
いいこでいられる環境を遙が守ってくれてたからだよ。

なんか凹んできた。
考えても仕方ないことで凹んでどうするよ俺。

「月代?」
いつの間にか屋上に出てた。
影の中で手すりに縋って海を見てた。
海の向こうに渡ったら遥に逢えるんじゃねーの?
ってありえもしないことを考えて手を伸ばしてみたりして。
そしたらこの人が来てくれたんだ。天使じゃねーの?上杉。

「上杉って羽でも生えてんじゃない?」
「はね?」
「いいタイミングで来てくれたから。
 羽でも生えてて飛んできてくれたんかなーって。」
「どうかしたのか?」
「んー今日も暑いなーと思って。」
「ああ。暑いな。
 それだけじゃない、だろう?」
「夏休みまであと20日だね。」
「ああ。今日から7月だからな。」
「・・・上杉、」
「なんだ?」
「ダイスキ。」
「・・・俺もだ・・・けど誤魔化しで言われるのは・・・」
「ゴメン。好きなのは本当。
 好きだから、上杉に逢える日が減るのが悲しかっただけ。」
「逢える日が減る?」
「うん。家の事情で夏休み延長しなきゃなんだよね。」
「夏休みの延長?」
「うん。夏休みの頭からずっと帰省。
 夏祭りとか花火とか海水浴とか
 できねぇじゃんって凹んでたんだ。」
詳しい話はできないけど隠せない事実は言える。
本当は全部上杉に知って欲しいとかも思うんだけど
知ったからってどうということもないし逆に意識されても困るし
だいたい俺は俺で俺として上杉に好きでいて欲しいから良い。

「そう、なのか。
 実家が海外なんだったな。」
「うん。
 全然実感ないけど。
 ただいまって帰れる場所でもないし。」
「・・・」
「あ、ゴメン。気にしないで。」
「俺が待ってるから。」
「ん?」
「俺が日本で、ここで、待っているから、
 延長した夏休みから帰ってくるときは
 ただいま、と俺に言ってくれたらいい。」

なんて嬉しいこと言ってくれるんだ、このお人は。

「俺、上杉に好きになってもらえてよかったなあ。
 上杉のこと好きで幸せだなあ。」
そう言ったら
「俺のほうが幸せだと自負している。」
って小さく笑って「本当に好きなんだ。」だって。

天使だ。

夏休みなんか来なきゃいいのに。
このまま時間が止まればいいのに。

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