忍者ブログ
キャラの日常日記ブログ
  • /01 «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • » /03
カレンダー

01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

リンク
カテゴリー
解析
最新コメント

[02/11 しゅうむ]
[01/28 しゅうむ]

最新記事

(11/10)
(08/28)
(08/14)
(05/04)
(12/14)

最新トラックバック

プロフィール

HN:
white note
性別:
非公開

バーコード
RSS
ブログ内検索

アーカイブ
最古記事
カウンター

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

びっくりした。月代に。
あいつなんで運動部に入らねーんだろう?
マジでそう思うくらい運動神経よかったから。

一日スポーツテストの日。
月代に勝負を挑んだ俺。

筋トレ系は俺の勝ちだったし、
他も僅差でほとんど勝ったけど、
まさか走りで俺が月代に負けるとは。
サッカー部の俺としてはそれだけは、
絶対負けられないし負けたくなかった。

だから結果として俺は負けた気がした。

午後の体力テストでもし負けたら
完全に俺の完敗だしそれは避けたい。

そう思って、
月代を見るもどこにもいない。
あいつメシどこて食ってんだっけ?
「古泉、月代どこだ?」
隣で弁当箱を広げる古泉に聞いたら、
「つっきー?あ、さっき笹岡ちゃんと話してたの見たけど
 教室にいないわねえ」
だど。
笹岡ちゃん?笹岡先生と?
「ちょっと俺、行ってくる」
「どこに?」
「月代んとこ」
「なんで?」
「うっせえ!」

なんでなんか知るかよ。
なんでかいなきゃ気になるんだ。
なんでか月代の顔が見たいんだ。

丁度、笹岡先生が中庭を歩いているのが見えた。
職員室まで行かずに済んだとダッシュして追った。

「笹岡先生!」
「おう水品どうした息せき切って?」
「月代は?」
「月代?」
「さっき先生と月代が話してたって!」
「ああ、なんか顔赤いし
 ふらふらしてたから声かけたんだ」
「ふらふら?」
「ああ。保健室に連れてった」
「保健室?
 具合悪いんですか?」
「熱があるみたいで
 今は安静にしてる」
「マジか!」
「おい、水品……」

笹岡先生はまだ何か言いかけてたけど
聞いてる余裕なんか俺にはなかった。

熱があった?
俺に走り勝っといて?

保健室のドアを開けたら
なんか不思議な光景があった。
なんで上杉?なんで月代と上杉?

横たわる月代に寄り添っている上杉。
白いベッドに横たわる月代は目を閉じていて
その横で月代の顔を覗き込むようにしている上杉。

なんか、なんでか、一瞬ドキッとした。
だいたいなんで上杉なんだ?

「上杉、保健委員だっけ?」
確かこいつクラス委員だったよな。
「水品」
慌てたように椅子から立って
「否、違う」
と答えた。
「月代熱あんの?」
「ああ」
「具合どう?」
「今は眠っている。
 顔が熱くて苦しそうだ」
「ふうん」
なんだかむかついた。
誰にか何にかわかんねえ。

月代に近づこうとしたら、
上杉が席を立って月代から離れた。
さっきまでスポーツテストで競い合った月代が
蒼い顔で苦しそうに息をしながら目を閉じていた。
弱ってる月代なんか見たことなかったから驚いた。
驚きすぎて俺まで弱ってしまって胸が苦しくなった。

「なんで熱なんか出してんだよ。
 午後の勝負どうすんだよ」
なんて言いながら本当は午後の勝負なんて
スポーツテストの勝ち負けなんてどうでもよくなってた。

月代、目え開けろよ。
熱下げて俺見て笑えよ。
勝手にこんなとこで弱ってんなよ。

「なんで上杉はここにいんの?」
俺は月代がこんなんなってるの知らなかった。
なのに保健委員でもなければ接点もなさそうな上杉。
上杉には振り返らずに月代の閉じた目を見て聞いた。

「……だから」
「え?」
「月代が熱を出したのは俺のせいだから」
「は?」
きっと俺はぶしつけなまでに凶悪な顔で上杉を見た。
上杉はうつむいてから月代を見やるように顎をあげた。

「どういう意味?」
と言葉にすると同時に
昼休みを終えるチャイムが重なった。
廊下をこちらに向かう足音が聞こえて
「おまえらまだいたのか?
 チャイムなったぞさっさと戻れ」
と笹岡先生が入室して来た。
上杉はなんか言いたそうにしてて、
何を言おうとしてるのか解ったから、
「行くぞ上杉。
 俺らがいても月代に何もできねーよ」
と促した。
そうでも言わなきゃ、上杉、
ここにいるって言いそうだったから。

聞きそびれた上杉への疑問。
なんで月代が熱を出したのが上杉のせいなんだよ?
上杉と月代に何の接点があってどうなってそうなるんだ?

むかむかしてたらスポーツテストの持久走で
同じサッカー部で同部屋のチビ生田に抜かれた。
くそ!それもこれもどれも全部月代のせいだからな!

授業を終えて月代のトコ
上杉よりも絶対に早く行こうと思ってたのに
遅れて来た笹岡先生が月代は早退したと告げた。

瞬間なんでか上杉と目が合って気まずかった。
「なんなんだよもう!」
イライラして頭をかきむしってたら
その髪を撫でつけながら
「心配ね」
って古泉が言った。
「触んな!」
俺は古泉にあたった。
それくらいしかできなかった。

バカみたいに笑う月代の顔が懐かしかった。





 
PR
<< singin' in the rain * HOME * スポーツテスト1 >>

管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL

BACK * HOME * NEXT
BrownBetty 
忍者ブログ [PR]