忍者ブログ
キャラの日常日記ブログ
  • /01 «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • » /03
カレンダー

01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

リンク
カテゴリー
解析
最新コメント

[02/11 しゅうむ]
[01/28 しゅうむ]

最新記事

(11/10)
(08/28)
(08/14)
(05/04)
(12/14)

最新トラックバック

プロフィール

HN:
white note
性別:
非公開

バーコード
RSS
ブログ内検索

アーカイブ
最古記事
カウンター

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

困っていた。
まさかこんな夕立が襲うとは。

学級委員と生徒委員を兼任しているので
放課後はいつも生徒委員の仕事がある。
今日の内容は明日あるスポーツテストだった。
と言っても体育委員に任せる書類作成が主で
それが終わって体育委員に渡すまでが仕事だった。

作成してコピーを取るまではよかった。
だが、書類を体育委員に私に行く途中で
とんでもないどしゃ降りに襲われてしまった。
そもそもいつも使う印刷機が壊れてしまって
離れにある旧校舎の印刷機でコピーを取ったことが
こんな事態を招いてしまったわけで雨を防ぐ手だてがない。
大量の紙を濡らすわけにもいかないしコピーするだけなので
ここには俺一人以外誰もいない。もちろん傘なんかあるわけない。

これが途方に暮れるということなのか。
と、これが通り雨でいずれ止むことを祈りながら
旧校舎の軒先で紙束を抱え雨空を眺めていた。

ふと、
ふと影がよぎった。
なんだろうと振り返ると
俺に傘を向ける月代がいた。

幻かと思った。
だってここは誰も寄り付かない旧校舎で、
(特別に預かった鍵は俺のポケットにある)
だってこんなとこ誰も来る予定なんかない場所で、
(だからこそ途方に暮れて手だてのない俺がいる)

そこになんで月代?
気になっている相手だから幻でも見ているのか?
と、本当に、驚いた顔して固まっていただろう俺に

「これあげる」
と傘を差しだして
勝手にその傘を置いて

鼻歌を歌いながら雨の中に行ってしまった。

慌てて呼びかけたけれど
雨の音にか聞かされてしまった。
それほど酷いどしゃ降りの中を、
彼は、月代は、軽い足取りで行ってしまった。

残された傘が幻でなかった証拠だった。

結局彼の傘を借りて無事に仕事を終えることができた。
雨はそのまま降り止むことはなく深夜まで降り続いた。
俺は傘を持っていなかったので結局月代の傘で帰ってしまった。
傘に弾む雨音にこの雨を直に身体に受けながら月代は帰ったのだな
と申し訳なく、どうしようもない気持ちになって、早く礼が言いたかった。

俺は驚いたままで「ありがとう」すら言わなかったのだ。






PR
<< white room * HOME * スポーツテスト結果 >>

管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL

BACK * HOME * NEXT
BrownBetty 
忍者ブログ [PR]