忍者ブログ
キャラの日常日記ブログ
  • /03 «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • » /05
カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

リンク
カテゴリー
解析
最新コメント

[02/11 しゅうむ]
[01/28 しゅうむ]

最新記事

(11/10)
(08/28)
(08/14)
(05/04)
(12/14)

最新トラックバック

プロフィール

HN:
white note
性別:
非公開

バーコード
RSS
ブログ内検索

アーカイブ
最古記事
カウンター

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

驚いた。
入学直後の運動測定で運動神経がいいのだろうとは
予想がついていたのだけれどこれほどまでとは思わなかった。

「マジかよ月代・・・」
「まぐれだろまぐれ!」
サッカー部の生田と水品が話している。
それもそのはずクラス対抗の球技大会。
部に入っているものは部とは別の種目を選ぶことになっている。
よって、水品と生田はサッカーではなく野球球技を選択していた。
月代は水品に強制的に野球に引き込まれたらしく野球だけだったはずなのだが、
負傷で交代となった磯山の代わりにサッカーにまで出場していた。これも水品の推薦らしい。

その月代がひとりで3点を決めているのだから
水品と生田のつぶやきも納得だ。

「うまいとは思ってたけどなぁ。」
「あいつとはいっつも同じチームやってるし、俺。
 やりやすいっつーか組みやすいとは思ってたけど。」
「なんで部活しないんだろう?」
「はっ!知らねぇよ!
 宝の持ち腐れっつってやったら
 豚に真珠だって返されたぜ!なんなんだよな!」
「あ~俺いますぐあん中入って月代とヤりたい・・・」
「同感!なんでサッカー部がサッカーやったらダメなんだよ!」
「運動部やってるクラスが有利になるからだよ。」
「知ってんよ!バカにすんな!そうじゃねぇよ!
 月代がサッカーで活躍してんのがムカつくんだよ!」
「なんでよ?つっきーかっこいいじゃん?
 同じクラスなんだぞ応援しろよ!」
「してんよ!くそ!キャーキャー煩ぇな!」
「ああ、女子が騒いでるのがくやしいのか。」
「悪いか!俺だってあれくらいなっ!」
「野球で目立てばいいじゃん。目立てるならね。」
「うっせ。そういう生田は目立てるんだろうな!」
「俺はどうか解らないけど悪目立ちしそうだよね水品は。」
「ふん!うらぁ!月代!右だ右!コースあんぞぉ!打てぇ!!!」

なんだかんだで彼らは仲がいい。
文句を言っている様でそれは賞賛で応援なのだ。
俺はサッカーのことはよく解らないけれど月代の動きが
圧倒的に目立つし隙もミスもなくひとり格が違うのが解る。
一度見入るとその動きから姿から目が離せないほどに眩しい。

授業形態はまだまだ男子校女子校の隔たりが残る学園も
大きなイベントでは合同に参加をし始めているため女子も当然いる。
なるほど。目立つ活躍を魅せ付ける月代に目を留めない者はいないだろう。
少し歩くと近くの女子が「あの人誰?なんて言うの?」とクラスメイトに尋ねていた。
俺は学年委員や生徒会によって合同イベントの運営に携わっているから女子との交流は多い。
だから目に付くのだろうしだからよく告白などを受けるけれど俺の何を好きだと言うのか解らない。
こういう月代を見たなら一目惚れをしたと月代が言われても納得が行くしそう言えるのを羨ましく思う。

「うわ!4点目入れやがった!」
「ははは、容赦ないね。
 つっきーすごいなーかっこいいなー。
 つっきー!がんばれー!もう一点!もう一点!」
「2組の守備がザルなんだよ!
 くっそ月代目立ちやがって!
 もーめだたなくていーっつーの!」
「はいはい。つっきーが遠い人になって行くのが寂しいんでしょ水品?」
そこに古泉も加わった。
「おー古泉、バスケどうだった?」
「ふん。煩ぇ古泉。勝ったのかよ?」
「まあ、負けました。」
「あら~残念。」
「ふん。だっせぇ!」
「俺、バスケ向いてないと思うんだけどなぁ。
 おお~つっきー頑張ってるね。すごい点差だわ。」
「古泉は背が高いからバスケってなっちゃうんだよ。
 俺も背欲しいよ。サッカーも長身のが絶対有利だし。」
「あの4点全部あの月代が入れたんだぜ!どうよ!」
「なんで水品が得意になってんのよ。
 でも、そうなんだすごいねつっきー。かっこいいわ。」
「だよな!だよな!かっこいいよ!」
「ふん。俺が出てりゃ10点はいってるぜ!」
「つっきーと組んで、でしょ。」
「俺も入れろよ。」
「なんでサッカー部がサッカー選んじゃいけねぇんだ・・・」
「言うと思った。」
「さっきも言ってたよ。」
「煩ぇ。あっ・・・」

試合が終わったのだろう。
終了の笛が鳴った瞬間に水品がグラウンドへ向かって走り出した。
相手チームと挨拶しているのにも構わず月代へ飛びついて顔を掌でぐりぐりしている。
よく見るとスポーツタオルを手に近寄ってもじもじと月代を見ている女子の姿が目に入る。
しかし水品の勢いに押されてか賑やかに引き上げていく月代に渡すタイミングを逃していた。

少し、ほっとした。
たちまち、そんな自分に嫌気がさした。

試合結果を書き込んだバインダーを手に集計所へ向かう。
ちょうどバスケを担当していた佐原がやはりバインダーを手に現れた。
「バスケは負けだった。惜しかったがな。」
「そうか。サッカーは勝ちだった。」
「ああ、女子が騒いでいたから存じている。
 なんでも月代が大活躍だったそうだが、
 月代はサッカーだったか?」
「否、怪我人が出て代わりに月代が入った。
 入ったというより水品に無理やりグラウンドへ入れられていたな。」
「そうか。あいつららしいな。
 それで、怪我人の具合は?」
「ああ。接触で磯山の鼻血が止まらなかったらしい。
 もう大丈夫そうだ。」
「大事に至らなくてなによりだな。」
「ああ。」
「次は・・・野球か。
 その後すぐサッカーか。月代も大変だな。
 ああ、でも次は鼻血の磯山は出場可能か。」
「だと思う。」
「上杉はテニスだったか?試合はいつだ?
 俺はバスケで負けてきたからもう出番はない。
 引き継げる仕事があるようなら引き受けるぞ。」
「ああ、俺はこの後に行く。フルじゃないからすぐ終わるだろう。」
「そうか、では俺は気楽に野球の応援に行って来るよ。」
「ああ。」
もうすぐ始まるテニスのコートへ向かう。
クラスから3名ずつの競技なので応援に来るものは少ないだろう。
着替えてコートで相手チームを礼をかわしていたら応援席に月代達がいた。
野球は?と思って時計を見たら、気付いたらしい月代が口パクで何か言っていた。

ま、え、の、し、あ、い、が、え、ん、ちょー、

ああ。
それにしてもいつ終わるかも解らないのにこんなところにいてもいいのだろうか。
そう思ったけれど団体競技でないひとりでコートに立つ競技に応援があるのは嬉しい。
見れば女子が多いのかギャラリーは賑やかで俺を応援する声まで聞こえて来た。

なんとなくテニスは剣道に似ている気がして選んだ。
剣道は長年やっている見に染み付いた武術で、
相手の隙を付くスポーツであるテニスがいいと思った。
油断なく緊張を持って緩急を加えながら狙いを一気に突く。
うん。似ている。

そこそこの健闘はできただろう。

チェンジコートのタイミングで迎えが来たらしく
「うーえーすーぎーふぁいおー!」
と月代が口に手でメガホンを作って笑った。
生田は次の出番の五条にやはり応援らしき言葉を掛けていた。

「ああ。」
見てて欲しいと思ったし
観にいきたいと思ったけれど
まだ決勝までは何戦かあるのだ。
そこまで一緒に勝ち進めるよう力を尽くそう。

PR
<< バレる * HOME * 相談する >>

管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL

BACK * HOME * NEXT
BrownBetty 
忍者ブログ [PR]