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月代を好きなんだと自覚した。

古泉に言わせるとひとめ惚れなんだそうだ。
もうずっと前から初めて出逢ったときから
ああそうなんだろうなって思ってたってさ。

「早く言えよ。」って言ったら、
「言ったって自覚しなきゃ否定したでしょ。」って返された。
自分の性格は自分がいちばん解っている。古泉の言うことに間違いない。

それにしても自覚が遅かった。
だって月代はもう上杉のものだ。

「月代。」
「ん?」
好きだって言いたい。
大好きだってキスしたい。
んなこと言えねーししねーけど。
「ばか・・・」
「意味不明は相変わらずだけど覇気がねーな。どうした?」
だって。ばかって言われてんのに俺の心配かよ。ばか。
ああもうヤダ。
人のモンってのがヤダ。
ぐずぐずしてた自分がヤダ。
やたら目が行く月代の顔がヤダ。
すげえキラキラして見える月代の存在がヤダ。
毎日毎日好きになってるのが解る月代への恋心がヤダ。

って凹んでたらうっかり涙がにじんだ。

「うおっ!どうした水品!」
なんて月代がカオ、近づけてくるし、肩に触れてくるし。
「触んな!近寄んな!」
振り払ってうしろにぴょんと飛んだら壁にぶち当たって転げたし。
「いってえ!」
「おいおい・・・なんがなんでも注意力散漫すぎだろ。」
って転げた俺に差し出される月代の白い手。
さっき振り払われたのに躊躇ナシかよ。
「いい。いらない。起きれる。」
「そっか。」
またも拒否ってしまうのはただの意地だ。
月代にはなんのことだか解んねえ意地。
誰かのものである月代をつっぱねたい意地。
すごい好きなんだけど隠し通さなきゃな意地。

俺の態度に腹を立てるわけでもなくぽりぽりと首を掻いている月代は
「なんか困ったことでもあんなら言えよな~」ってのほほんと言った。

困ってんよ。
困ってんのになんもできねーし
月代本人に絶対言えるわけねーし
だからって別のヤツをそういう目でみれねーし
嫌いになれる要素がそもそもねーからずっと好きだし
ずっと好きでも思っていてもどうにもならないことだし。

不毛すぎんだよ。

すっげえ不機嫌なカオしてんだろうな俺。
すっげえぶーたれたカオしてんだろうな俺。
そんな様子で月代のこと睨んでるんだろうな俺。
「俺、なんかした?」
ほら、さすがの月代も聞いてきた。
「別に。」
「ってことはなんかしたんだな?
 なにした?悪いと思ったら謝るから言って。」
「悪くねーし、謝られる筋合いもねー。」
「そうか。」
「そうだ。」
納得してないんだろうけど追求もしない。
こんな俺と一緒にいても面倒なだけなのに
だからと言って俺を置いてどっかに行ったりしない。
頬杖ついて「空青いなー海青いなー」て独り言みたく呟く。
俺もつられて見たらホント青いの。空も、海も、広くて青い。
それ見たら、それ見て月代見たら、鼻先がキュンってなって
キラキラしてる月代が眩しくて優しくてやたら綺麗に見えて
ああ、こいつを俺は今困らせてる最中なんだなとか思って
「ごめん」って言えた。
「なにが」って笑顔もらった。

「昨日の練習試合で負けたんだ。
 すんげー悔しい。
 スタメンだったのに代えられて、
 負けたのは俺のせいって解ってる。
 キレがなくて上手く行かなくて集中が切れた。」
サッカーしてるときだけは月代のこと考えずに済むのに
そのサッカーさえ上手く行かないと俺はどうすればいい
って思ったんだ。今日は。
「そーいうときもあるだろ。」
月代は「にんげんだもの」って笑った。
みつをかよ!って思ったけどなんか気が楽になった。
「サッカーだけは誰にも負けたくないんだよ。」
俺にはそれしかないからな。
「そーゆー水品はすごいかっこいいと思うし羨ましいよ。」
羨ましいだって。かっこいいだって。なんだよばか。
「ばかにしてんのかよ。」
「してないよ。」
上昇する頬の熱を誤魔化すように空を見上げた。
飛行機雲が真っ青な空のキャンバスにぐんぐんと伸びていた。
「・・・また試合見に来い。」
「うん。いいとこ見せろよな。」

月代は友達だ。
でも他の友達らとは違う。
上杉はどうなのか知んねーけど
俺は少なくとも男が好きなわけじゃない。
そういう意味では月代はなんか特別なんだ。
告白はできない友達でしかありえないと言うんなら
友達の特権を駆使させてもらうのって卑怯じゃねーよな。

「俺が得点決めたらなんかくれ。」
「はあ?別にいいけど。何が欲しんだ?」
「朝までゲーム一緒にやろうぜ。」
「寮に泊まりに行けばいいの?そんなんでいいの?」
ばーか。朝までなんで無理に決まってる。
疲れて眠りこける腹なんだよ。一緒にな。
「おう。」
「おやすいごようスギなんだけど?
 そんなんでメンタルあがんの?」
「あがる。」
「ならいいや。かっこいいゴール期待してんよ。」
「おう。」

恋人として触れたいのに触れられないなら
友人と偽って友人レベルの触れ合いならいいだろ。
だましてるみたいで気分悪いけどそうでもしないと辛すぎんだろ。

ああ、ほんと切ない。
こんな俺はイヤなのに。




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ああ、まただ。

正直社会勉強させてもらってるし
金に不自由しない生活を当たり前だと思いたくないし
好きにやらせてもらってることの感謝を返したいとも思ってる。

けど、学校には普通に通いたいんだ。
休むことなく。ズレることなく。トクベツ扱いもなく。

「留学ですか?」
「と言っても我が校、遠野学園の在籍はしたままななので心配はいらないよ。
 夏休みと夏休み明けの数日をあちらのスクールで過ごしてもらうだけだ。」
夏休み明けを削られるんじゃないか。
夏休みだって削られるんじゃないか。

「俺に夏休みはないってことですか?」
「5日間はあげるよ。あちらのスクールだってみっちり授業があるわけでもない。
 生徒であり教授補佐も勤めてもらうので慣れるまで少々大変かもしれないが。」
結局は親父の手伝いを遠まわしにやりながら学べってことだろう。
いつものことだけど遥もいない今、上杉にも逢えないのは少し辛い。

「解りました。」
「よろしく頼むよ。」
「はい。あ、学長。」
「なんだね。」
「このことは、」
「内密事だよ。私用なのでね。他言は無用だ。」
「安心しました。失礼します。」

はあ。と溜息をつく。
理事室の向かいの窓からはグラウンドが見えた。
サッカー部がパス回しをしている。水品も見えた。
「青春だなあ。」
思わず笑ってしまう。
少し気持ちが和むのを感じる。
ああ俺、ギスギスしてたんだなと思う。

夏休みが潰れることが嫌なんじゃないし
あっちのサマースクールに通うのが嫌なんじゃない。
仕事を手伝うのもその働きが役立つのなら構わない。
それと引き換えにこの生き方や生活があるのなら望むところだ。

ただ、学校に通う日数が減るのは悲しい。
やっとできた居場所の限られた時間なんだ。
部活なんかできなくっていいからそれだけはさ。
つってもどうすることもできない俺は従うだけなんだけど。

遙に随分守られていたんだな、と
こんなときじわりじわり感じる。
じわりじわり胸が痛くなる。

いいこなんかじゃなかったよ、俺。
いいこでいればいい環境にあったからだよ。
いいこでいられる環境を遙が守ってくれてたからだよ。

なんか凹んできた。
考えても仕方ないことで凹んでどうするよ俺。

「月代?」
いつの間にか屋上に出てた。
影の中で手すりに縋って海を見てた。
海の向こうに渡ったら遥に逢えるんじゃねーの?
ってありえもしないことを考えて手を伸ばしてみたりして。
そしたらこの人が来てくれたんだ。天使じゃねーの?上杉。

「上杉って羽でも生えてんじゃない?」
「はね?」
「いいタイミングで来てくれたから。
 羽でも生えてて飛んできてくれたんかなーって。」
「どうかしたのか?」
「んー今日も暑いなーと思って。」
「ああ。暑いな。
 それだけじゃない、だろう?」
「夏休みまであと20日だね。」
「ああ。今日から7月だからな。」
「・・・上杉、」
「なんだ?」
「ダイスキ。」
「・・・俺もだ・・・けど誤魔化しで言われるのは・・・」
「ゴメン。好きなのは本当。
 好きだから、上杉に逢える日が減るのが悲しかっただけ。」
「逢える日が減る?」
「うん。家の事情で夏休み延長しなきゃなんだよね。」
「夏休みの延長?」
「うん。夏休みの頭からずっと帰省。
 夏祭りとか花火とか海水浴とか
 できねぇじゃんって凹んでたんだ。」
詳しい話はできないけど隠せない事実は言える。
本当は全部上杉に知って欲しいとかも思うんだけど
知ったからってどうということもないし逆に意識されても困るし
だいたい俺は俺で俺として上杉に好きでいて欲しいから良い。

「そう、なのか。
 実家が海外なんだったな。」
「うん。
 全然実感ないけど。
 ただいまって帰れる場所でもないし。」
「・・・」
「あ、ゴメン。気にしないで。」
「俺が待ってるから。」
「ん?」
「俺が日本で、ここで、待っているから、
 延長した夏休みから帰ってくるときは
 ただいま、と俺に言ってくれたらいい。」

なんて嬉しいこと言ってくれるんだ、このお人は。

「俺、上杉に好きになってもらえてよかったなあ。
 上杉のこと好きで幸せだなあ。」
そう言ったら
「俺のほうが幸せだと自負している。」
って小さく笑って「本当に好きなんだ。」だって。

天使だ。

夏休みなんか来なきゃいいのに。
このまま時間が止まればいいのに。

++++++++++





また来たよ・・・バトン。
あの迷惑なrae@管理人からだよ。
回す人いないからっていつも俺ってどうなの?
でもまあ、今回は水品に罰ゲーム(笑)
なんで楽しく回答させてもらうよ。
416.png
じゃ行くよ「カラーバトン」

☆注意☆
このバトンは以下のルールを守ってください
☆回された人は3日以内に回答すること
☆嘘偽りなく答える事
☆アンカー禁止
☆回した人は回された人がルール守っているか確認に回ること
☆守ってない場合は罰ゲームを考えてやらせること


アンカーなので罰ゲームで
水品にも答えてもらいました。
あと水品の額にnikuも描かせてもらいました。
(うたたねしてたときに描いたので本人は知りません)

☆まずはバトンを回す人を5人教えて下さい。
罰ゲームで。

☆貴方の名前は?
古:古泉です。
水:水品。

☆年はいくつ?
古:16です。
水:17。

☆好きなものはなぁに?
古:もの?料理とか裁縫とかかな。
水:サッカー。

☆恋人いる?
古:残念ながらいません。
水:そーいうの俺に聞くな。

☆(いる人は)その人との出会いは?
古:早く出逢いたいよね。
水:「入学式」(ぼそっ・・)
古:「!」(聞くなって言ってたくせに)

☆好きなブランドは?
古:料理の素材は無添加を意識しています。
水:ブラック_ペンシル
  最近はグリーン_イレイサーとかも

☆好きなタイプは?
古:人の、でいいんだよね?
  俺の手料理美味そうに食べてくれる人。
水:好きになったやつが好きなたいぷなんじゃねーの。
  あんま俺にはわかんね。

☆嫌いなタイプは?
古:常識のない人
水:人が一生懸命やってることを
  バカにするやつ。

☆貴方の好きな漫画・ゲーム・小説・映像は?
古:漫画は俺もWJ系かな
   ゲームはRPG系
   本は料理本(って小説じゃないね)
   映像は自然系のナショナルジオグラフィックとか
   料理系のキュー○ー3分間クッキングも好きです。
水:WJ系/モンハン・地球防衛/やべっちの宿題   

☆好きな食べ物は?
古:和食だなあ。寿司と天麩羅と蕎麦。
水:肉。あとカレーとハンバーグとミートスパ。
  でグラタンとハンバーガーとギョーザ。

好きな音楽は?
古:大橋トリオ。くるり。とかかな。
水:今よく聞いてんのはlong_short_partyの
  「ハートビート」オススメ。

☆回してくれた人はどんな人?
古:迷惑な管理人ですがいろいろ感謝してます。
水:俺、バトン回してもらったわけでもないのに・・・。

☆回してくれた人の心の色は?
古:よく解らないので黒か透明で。(ごますり含む)
水:んじゃ古泉。黄色。金色じゃなく黄色。

☆貴方の心の色は?
古:自分で答えるのって難しいね。
  空色とかでありたいと思うけど。
水:・・・にじいろ・・・レインボー!レインボーで!

☆最後に貴方が回す人のイメージカラーをつけてください
古:アンカーなので水品のカラーでも。
  緑とオレンジを足して二で割った色。
水:↑それって結局茶色じゃねーか!?


ありがとうございました
411.png
俺は、性的欲求を満たすことに不自由したことがない。
もてないほうじゃなかったから。
ちょっといいなって思う相手がいれば大抵はどうにかなった。
ちょっと冒険してみようかななんて男にも手出しかけたけど勃たなかった。

で、なんかだんだん面倒くさくなってからは右手がいちばんだと思った。
人を相手にすると余計な感情が動いて面倒くさい。
身体だけの関係でいいなんていいながら割り切れないやつも多すぎる。
期待や、嫉妬や、その後のケアや、その後の感情に、付き合うのは面倒くさい。


やるときに月代先輩の首筋を想い浮かべることが増えた。
あれ強烈だったから。
鮮やかな紅い血が先輩の白い首筋から流れる。
俺の歯型が残る場所からその血を舌で舐め取ると甘い。
すげえ官能的じゃねえ?すげえ誘惑的じゃねえ?そそられるね。

俺が舐め取るとき、あの人はどんな表情を浮かべただろうと想像する。
苦痛に歪んだ表情?甘美に浸った表情?行為に酔いしれた表情?
そんなわけないと思っていてもそれを想像するのは勝手だろ。

首筋への愛撫から始まり行為に及ぶ過程を想像して
あの人の表情や吐息や喘ぎ声まで想い浮かべてイく。
想像だけで、自分の手なのに、こんなにきもちいいなら、
本物のあの人とのセックスはどんなにきもちがいいのだろう。

あの人は男だって解ってるけど女とよりやりたい。誰よりやりたい。

『欲求』

「先輩。」
「ああ、越乃。」
気が付けば秋。
先輩に再会した紅葉の秋がまた巡ってきた。
そして来年の秋には先輩とこうして話す今はない。

「秋ですね。」
「紅葉きれいだな。
 今年も写真撮ったりしてんの?」
「してますよ。でも俺は紅葉に囲まれる先輩の写真も撮りたいんですけど。」
「去年取っただろ。」
「去年と同じじゃない今を撮りたいんですよ。
 去年と今年は似てるけど違う。
 来年と今年は似もしない。」
「越乃?」
「広夢です。」
「え?」
「去年は苗字だったけど今年は名前で呼んで下さい。」
「唐突だなー。」
「だめですか?」
「いいけど。えっと広夢、」
「はい。」
「来年と今年って?」
「ああ、先輩がいないじゃないですか。
 去年と今年はいるのに来年はいない。
 今年と来年じゃ似ても似つかないですから。」
「でも、おまえはいるだろ?」
「俺だけじゃだめなんです。
 先輩と俺が一緒に紅葉の中にいないと。」
あなたがいないと色彩がいっきに色褪せてしまう。
「写真、撮ってもいい?」
カメラを向けると困ったように笑う月代先輩がいた。
名前で呼ぶのも、写真に撮られるのも、結局聞いてくれる人。

「いいこと思いついた。」
「なんだ?」
「先輩が留年してくれればいいんですよ。
 そんで再来年、一緒に卒業しましょうよ。」
「さらりととんでもないこと口にすんなよな。」
「ふふ。だめですか?」
「聞かなくてもわかるだろ。」
「いいですよ。そんなら俺が追いつきますから。
 飛び級なんていいかもしれないですね。」
「おまえはおまえのペースでいいんだよ。」
「先輩がいないのイヤなだけっすよ。」
「俺がいなくてもおまえは大丈夫だよ。」
「先輩がいないと大丈夫じゃないよ。」
「広夢・・・」
「そうでしょ?
 最近出てない発作がまた再発するかもしれない。」
「だから俺を追うのってなんか違うよ。
 俺がいなくてもおまえはおまえなんだから。」
発作が怖くてあなたを追ってるんだと思ってる先輩。
それもあるけどそれだけじゃないんんだよ。
それ以上に強い欲望が俺を動かすんだよ。
まだ心の箱に閉じて言わない。だってあなたは逃げそうだもの。

「先輩には解らないよ。
 拠り所を失う恐怖なんて。」
「広夢・・・ごめん言い過ぎた。
 でも俺はいつもそばにいてやれるわけじゃない。
 それに俺がいなくても俺に逢わない時だって発作は出てない。
 それはおまえがおまえ自身で克服したと思っていいと俺は思う。」
「そんな都合よく・・」
「そういうのって気持ちの持ち方も大事だと思うんだ。
 否定すれば心も否定する。信じることも悪くないと思うよ。」
「それが先輩ではいけないの?」
「それは自分自身でないといけない。
 でないと俺に失望した時におまえも失望するよ。」
「先輩に失望なんて・・・」
「広夢。俺はさ、いつも毎日ほんと毎日毎日、
 飽きもせずに拠り所を、ある人を失う怖さで震えてるよ。 
 笑っちゃうだろ。あの人を失うと生きていけないほどにだ。
 そんなぞっとする思いを押し付けて生きなきゃ生きていけない弱い人間なんだよ俺。」

自分の血の気が引くのが解った。

この人ににはそこまで想う人があるということに
それを今こうして俺に話すほど強い想いだということに
強い嫉妬と眩暈を覚えた。

恋の横恋慕なんて別にどうってことはない。
もう付き合っている場合の方は簡単に奪えたりする。
やっかいなのは恐れるほどの執着を持つ強烈な片想いだ。
それを誰かにしているのがこの人の方だと言うのだからどうしようもない。

「恋してるみたいですね。」
「それよりも性質が悪いかもしれないよ。」

ああ。その想いは俺のと似てる気がした。
だったらどうにもならないものだと知らされた気がした。

「結ばれることはあるの?」
「どうなりたいかなんてものがないからそれもないな。」
「フクザツな感情ですね。」
「うん。そんな感じだな。でも、」
「でも?」
「その人が笑ってて幸せなら俺もすごく幸せだ。」
あんまり儚く優しく幸せそうに笑うから思わずシャッターを切ってしまった。
ああでも、ファインダー越しのあなたよりそこにいるあなたの方が数倍いいや。

俺はね、あなたのことをいっつも陵辱してるんだよ。
そんな綺麗に笑うあなたがが恍惚に浸って喘ぐ姿を想像してるんだよ。
だからって本物のあなたと逢ったって話したって罪悪感なんか感じない。
込み上げる感情は愛しい、愛おしい、狂おしい、欲しい、愛したい。愛でたい。

あなたをおれのてでくるわせたい。
だれかをおもうそのこころごとくるわせてこわしたい。

「月代先輩。」
「ん?」
「白雨先輩。」
「・・・なんだよ。」
「ふふふっ。」
「・・・なんかたくらんでるだろ?」
「暗示をあげますよ。」
「暗示?」
「その人を失っても俺がいますよ。」
「え?」
「だからそのときには俺のとこに来ればいいですよ。」
「ひろ・・むっぅ・・」
その唇を俺の唇でふさぐ。
暗示と言うか俺にとっては契約。
いいよいまは。あなた自身は幸せそうじゃないから。
誰かの幸せを願って幸せそうにしてるあなただから。
だからね、それを失ったら、手放したら、今度こそあなたをもらうよ。

「あなたの大切な人があなたのために幸せでありますように。」

勝手にキスしちゃって怒るかなぁって思ったけど俺の言葉に
「ありがとう広夢。」
って幸せそうに笑うんだからまいるよね。
誰かのための笑顔でさえもそそられるよ。

俺の中の化け物もなんだか納まってくれそうな気がするよ。
あなたを傷つけたら俺も傷つきそうで怖いだなんてそんな感情
俺が持ってるなんて知らなかったな。あなたには酷くもしたいけど優しくしたいんだ。

410.png
例の用事で理事室を訪ねてから
できるだけ人に見つかんねーように裏を通って戻る途中、
告白されているらしい上杉と告白してるらしい1女生徒を見た。

「上杉モテんだろ?
 ヤキモチとか妬かねーの?」
とか水品が言ってたのを思い出した。

妬いてどうなるもんでもないしな。
上杉がモテんのもわかるしな。

そんなこと言ってられるのも、
上杉は断ってくれるんだろうと思えるからだ。

断らなかったら、承諾したら、妬くに決まってる。

「俺には想う人がいる。すまない。」

聞き耳立てる気はなかったけど上杉の声が聞こえた。
話は早く終わりそうだしここ通らなきゃ戻れないから待つ。

「どんな人?」

意外にもまだ話は続きそうだ。
自分の好きな人の好きな人って気になるもんなんだな。
そういや遥に彼女できたとき俺もちょっと妬いたし気になったもんな。
なんてことを考えながら腕を頭の後ろで組んで後ろの壁にもたれた。

「ずっと片思いだった。
 今も、俺の方が想っていると思うし、
 それが俺の誇りで生きがいでもある。
 そう思わせてくれる人、だ。」

うわあ。
ちょっと、上杉。

「随分な思い入れね。」
「ああ。」
「それだけの価値がある相手ってこと?」
「ああ。もちろんだ。」
「・・・ぷっ。」
「?」
「真面目な顔してそこまで断言されると
 あきらめるしかないなあ。
 私、上杉くんのクールそうなトコ好きだったんだけど
 そういうとこもなんか好き。こっちは恋愛対象じゃなくて。」
「?」
「振られてくれるまでおとなしく待ちます。
 告白、聞いてくれてありがとう。
 委員会仲間としてこれからもよろしく。」
「ああ、よろしく頼む。」
「じゃ。」
「ああ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・誰が振るかよ!

つーか、ますます好きになったっつーの!
上杉、なんなのこの人。ほんとなんなの。
毎日、意識する度、魅かれて、好きんなってんのは俺だ。

だからあんま、好かれてる自信ないとか言うなよ。
俺がへこむから。

 

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BrownBetty 
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