忍者ブログ
キャラの日常日記ブログ
  • /04 «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • » /06
カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

リンク
カテゴリー
解析
最新コメント

[02/11 しゅうむ]
[01/28 しゅうむ]

最新記事

(11/10)
(08/28)
(08/14)
(05/04)
(12/14)

最新トラックバック

プロフィール

HN:
white note
性別:
非公開

バーコード
RSS
ブログ内検索

アーカイブ
最古記事
カウンター

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

本当は気付いていたのだろう。
気付いていたけれど気付かないふりをしていた。
気付いていたけれどそんなことあるわけがないと否定していた。

だってまさかそんなこと考えたことがなかったから。

『ついに認める』

廊下でプリントを見ながら歩いていたら
注意が散漫になってしまって目の前の人物にぶつかってしまった。
そのままプリントを散り落としながら仰向けにしりもちをついてしまう。
「大丈夫?」
「すまない、」
ぶつかったのは月代だった。
俺が落としたプリントを手早く集めて俺に向いて膝と手をついている。
それは俺に覆うような体制にあるために顔がとても近くにあって驚く。
---------キスしてしまう。
そんなはずはないのにそう思ってドキドキした。
月代はなんでもないようにそのまま膝を立てて俺に手を差し出した。
勿論その手はキスをするために差し出されたものじゃなく俺を立たせるためだ。
「怪我してない?どっか痛くない?」
「大丈夫だ。月代こそ・・・」
「俺は大丈夫、なんともない。
 はい、プリント。たぶんこれで全部あると思う。」
と周りを見渡しながら差し出される。
俺が呆けている間に全部拾ってくれたらしい。
「すまない、ありがとう。」
「いやいや。
 疲れたまってんじゃない?
 あんまり無理すんなよ?」
そう言って首を傾げると「じゃあ」と去っていく。
それがなんだか無性に寂しく感じられて思わず月代の服の裾をつかんでしまった。
行きかけた月代の身体がくいっと止められて月代が不思議な顔つきで振り返った。
「あ・・・」
「ん?」
「すまない。」
「いいけど、どうした?」
「あの・・・」
どうしたと言われても俺自身が解らない。
もうちょっと一緒にいたいとか言うと可笑しいだろう。
だいたい離れる月代の背中をどうして寂しく思ったのか。
「上杉?」
「・・・・うん・・・その・・・」
「具合でも悪い?
 保健室付き合おうか?」
「頼んでもいいか?」
「いいよ。行こう。」
言葉が上手く紡げなかったから月代の申し出に乗った。
嘘をついてでも月代と一緒にいたいと望んでしまうのは何故だろう。

「あらら?保健室閉まってんだけど?
 上杉待ってて。俺、職員室行って鍵もらってくるから。」
いやだ。
置いていかれるのはいやだ。
「月代っ・・・」
思わず身体が動いた。
月代の背中にしがみついていた。
月代の匂いが体温が身体に染みてくる。
ああ、俺はこの塊が中身も外見も存在自体が好きだ。
「上杉?そんな具合悪かったのか?
 ちょっと、ごめん、ねえそこの人、
 悪いんだけど職員室に行って保健室の鍵取ってきてくれない?」
月代が誰かに声をかけている。
俺は月代の勘違いに甘えてそのまま縋っている。
「大丈夫か?今鍵、取りに行ってもらったから
 ちょっとだけ待とうな。もっと縋っていいからな。」
月代の不思議なトーンの優しい声が染みる。
ああ、俺は月代の声もすごく好きだなあと思う。
「あ、きたきた。」
ほどなくして鍵を受け取ったらしい月代が
俺の前にかがんだかと思うと俺を背におぶった。
そのまま保健室に入って俺をベットの上に寝かせる。
仰向けの俺の真上に被さるように月代がいて頭を枕に乗せてくれる。
ああさっきよりもっと近い。本当に頭を少し起こせばそれこそ唇同士が触れるだろう。 
「つき・・・しろ・・・」
「ん?」
俺を寝かせたことで離れようとしたその身体を戻して
俺の言葉を聞き取ろうとさらに顔を近づけて俺を見る。
黒目が大きく煌めいている吸い込まれそうな瞳だ。
「すまない。」
嘘をついて、こんな邪な感情を持って見てしまって。
「謝ることなんてないよ。」
乱れた前髪を整えてくれながらゆっくりと笑う。
同性だとか普通じゃないとかそういうのはもういいなと思う。

ああ、本当は気付いていたんだ。
俺は、月代とキスがしたいような好きなんだ。
それは、異性に感じる好きなのだろうけれど仕方ない。
だって、俺がそう思ってたまらなくなるのは同性であっても月代だけなのだ。

これは恋だ。
それもマイノリティだとかリノリティを超越している。
超越してでも好きだと強く感じずにいられないのならそれは最強の想いなのだろう。

認めよう。
俺は、月代に恋心を抱いている。
そしてその恋が報われることはきっとない。

PR
<< 相談する * HOME * 妬み嫉み羨む >>

管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL

BACK * HOME * NEXT
BrownBetty 
忍者ブログ [PR]