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広夢様は学校に行っている。
俺は言われたとおりに勉強をしながら
広夢様は学校ではどんな感じなんだろう?と考える。
使用人の林さんは広夢様はとても成績がいいのだと言っていた。
広夢様には弱点なんてきっとないのだろうと俺はいつも確信する。

俺は年上なのにバカで何の役にも立たないろくでなしだ。
広夢様を思うたびに同じだけそう思うと勉強が進んだ。
今のままじゃダメだと、変らなければと、思えるから。

「頑張っておられますね。」
林さんが程好く甘いココアを入れてくれた。
人に背後に立たれると怖いのに林さんだけは怖くない。
むしろ包み込まれるような、見守られているように暖かい。
「ありがとうございます。」
お礼を言って一口飲んだ。ああ、このココアも温かい。
「広夢様が買ってこられたココアなのですよ。」
「え?」
「貴方に飲ませたかったそうです。
 程好い甘さが脳を活性するんだと仰って。」
「俺のために?」
「はい。
 ここのところあまりお話されてないんでしょう?」
そうなんだ。
最近、もう2週間も広夢様とは逢っていない。
一方的に俺が探してただ目で追っているだけ。
だって広夢様は俺に逢いに来てくれないんだ。
確かに何処かへ出かけたりもしているけれど
この屋敷にいることだって多いのに逢えない。
「俺は嫌われているんでしょうか?」
「そうでしたらココアなんて買っていらっしゃらないですよ。」
林さんは小さく微笑んだ。
「でも、逢えないんです。」
「逢いたいのですか?
 それとも逢えないことが不安なのですか?」
「え?」
林さんは黙って俺を見ている。
考えろってことなのだろう。
逢いたい?
逢えないことが不安?
逢えなくて、嫌われてるのかと不安だけれど
俺は広夢様が好きで好きでだから必死なんだし
前にキスまでしてくれたのに俺に興味ないみたいに
急に逢えなくなって広夢様が足りなくて寂しいんだ。

寂しい。

「逢いたいです。不安だし寂しいです。」
そう言ったら
「ココアのお礼を貴方から言いに行くことだってできますよ。」
と林さんはゆっくり笑った。
「こもって勉強する貴方がこの部屋を出て、
 貴方から広夢様を追うことは自然な行動ですよ。」
林さんはそういって会釈してから部屋から出て行った。

俺がこの部屋を出て?
ああ、そうだ、俺は勉強を理由に部屋から出ないままだった。
そもそもこの部屋まで広夢様が訪ねて来たことなんかなかった。
俺から広夢様に話しかけるなんて考えたこともなかったじゃないか。
広夢様の登校時間も帰宅時間も大体把握して窓から見てたくせに。
それに俺は勉強もだけれど恐怖症の克服と言う課題だってあったんだ。

ああ、そろそろ広夢様の帰宅時間だ。
今すぐ部屋を出よう。
まだ俺は多少の勇気もいるし。
それには時間が掛かるだうから。
門までは行けないけれど玄関ホールまで。
次は門まで行けるようにイメージトレーニングもしよう。

ココアのお礼の前に言うんだ。
「御帰りなさい。」
 

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