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正直俺はむしゃくしゃしていた。
月代先輩には二度と逢わないといわれたきり
本当にそのとおりに消息を断たれてしまったし
そうされなくてもどのみち先輩は卒業してしまった。
学校にはバカで浅はかな同級生ばかりでつまらない。

「越乃、誕生日なんだって?」
「そうだよ。」
「それでそのプレゼントの山かよ。アイドルだな。」
「大袈裟だよ。」
こんな中身のないものなんかどうでもいいよ。
俺が長身で顔も頭も良くて愛想も付き合いも良くて
おまけにとってもお金持ちだからちやほやしてるだけなんだよ。
中身のない俺に群がってるだけで大事なものが入ってないんだ。

一見とても人に好かれる俺は
内面にどす黒いものを抱えたままだ。
そのどす黒いものは表面に出てこなくなったから
少し飼いやすくなったけれど解放されないから増殖してるようだ。



『誕生日に人間をもらった』act5



誕生日に人間をもらった。
手元の資料によると家族から虐待を受けていたらしい。
脱がせて見てなるほど痣だらけだった。古いのから新しいのまで。
そのくせ対人恐怖症と外出恐怖症で虐待の家に引きこもっていたという。

なんとも矛盾した生活だこと。

家でこんな目にあうくらいだから
外に出たらもっと恐ろしいんだぞ。
そんな感じだったのだろうか?

解せない。

どうしてこんな人間を俺に寄こしたのかは解らないが
対人恐怖症を少しずつ克服してるらしいこのプレゼント男は
この非常識な設定に何の疑問も抱いていない様子でそこにいて
「よろしく・・・お願いします。」
と頭を下げた。
「状況解ってるの?」
と問えば、
「俺は貴方の所有物だと伺いました。
 俺などで役に立てることがあればいいのですが。」
と目を伏せた。

解せない。

どうしてこうも他人に屈服できるんだ?
しかもあんた対人恐怖症で外出恐怖症なんでしょ?
ここだって初めて来る場所だろうし他人の俺に所有されて平気なの?

「あんた、俺に従える?」
「俺にできることがあるなら。」
なにこの即答。
ただのいい使用人じゃない。
そんなの林で充分、もういらないんだよ。
俺は対人恐怖症でも外出恐怖症でもないけど
つまらない他人と多くかかわりたいわけじゃないし
雑踏の中をあてもなく目的もなくぶらつきたいわけでもない。

変わらない世界で充分なんだ。
勝手にかかわって来られても迷惑だし面倒くさい。

「じゃあなにができるの?」
「なにが・・・なにも・・・」
「なんにもできないの?」
「あ、えっと、解りません。」
なんてつまらない人間。
「そんなら
 俺のペットっつーか、
 オトコ相手に性欲わくかの実験台くらいにしかなんねぇよなあ。」
「俺でできることなら何でもいいです。」
意味解って言ってんの?
いや、解ってないだろうな。
でも許可貰ったし、いいっつーし、なら暇つぶしにでも遊ばしてもらおう。

俺の中のどす黒いなにかが舌舐めずりしてんだよね。

1か月後。
他人につけられた汚い痣が消えた頃、
もう一回裸にして良い服を着せてみた。
ああ、うん、まあ、それなりに、見えた。
やせた小さい男は俺より年上だった。
小さいつっても俺が大きいのもあるけど
こいつはねー170センチ42キロだって。
痩せすぎじゃね?太らせないとそそられもしない。
えっとカロリー高い食い物ってなんだったっけ?
ピザ?フォアグラ?んー昼向きじゃないなあ。
あ、
うふふ。おもしろいこと考えた。
こいつ素直すぎてちょっとつまんないんだよねえ。
対人恐怖症と外出恐怖症一気に味あわせてやろう。
俺はこいつを人混みと雑踏に連れ出すことに決めた。
理由は
「ラーメン食いに行くぞ。」
これだけでよかった。

案の定ぶるぶる震えて嫌だと涙目。
知ったことか。俺には関係ないんでね。
痛いくらい掴んで来るんだけどまあ許そう。
人目が怖いって言うくせにそんだけぶるぶる震えて
男が男に子供みたいにすがりついて目ぇ閉じて歩きゃ
目立たないわけないでしょ?自ら目立ってどうすんの?
とまあ胸の中で笑ったり観察してたりしたんだけどねえ、
あんまり怯えるからそのぶるぶる震える手でラーメンなんか
食えなさそうだしもともとその目的もあったわけだけから終了。
個室で食って、さっさと車乗って、さっさと屋敷に帰ったところ。
帰りの歩きは少し安定したたように見えた。な?別に外怖くねーだろ?

無言で観察してたら会話もなく屋敷に着いた。
ほっとしたように大きく息を吸いこむ姿見たら笑っちゃった。
おまえここ来て1カ月のくせに(うち30日は一室にひきこもってた)
そんな安心するような場所になったのかよ外出恐怖症もたいしたことないな。

こいつからかったり意地悪すると、
少しずつ俺の中のどす黒いアレがさ、
なーんか少しずつ消えていく気がした。
なんでかっつーとこれは俺の推測なんだけど、
いじめてんのになんか空回りしちゃった感じで、
「ありがとうございます。」とか言われたから。
ラーメン食いながら泣いてんの。
「ありがとうございます。」って泣いてんの。

なんか、素直すぎるところがうざかったんだけど
なんか、素直なとことかばかで無知なとことかが
ちょっとだけ可愛いとも思えるようになった。
じゃあ、男でもイケルかな?って確かめてみたくなった。

「俺にキスして。」
って言ってみた。
ご丁寧に目まで閉じてやったのに
こいつほんとバカ。嫌でやってんなら追い出すけど。
頑張ってみましたどうですか?みたいな顔してんの。
それキスじゃねーよ!挨拶だろ!的に頬にちゅうだって。
唇に舌からませて濃厚なのされるよりもこのシチュエーションでこれは恥ずかしい。
ひとしきり笑ってから教え込むように俺からしてやったら抵抗するどころかおまえ・・・。

うっとりしてんじゃないよ。彩風情が。
あ、彩ってのは俺がこいつに付けた名前。
俺の所有物には俺が名前付けるもんでしょ。

でも、まあ、無防備にぽーっとなってるこいつ、悪くなかった。
慣れてないっていうかスれてないっていうか反応が素直だったから。
17、8っていったけどよくもまあこんなに純真に生きてきたもんだ、と思ったけど
当り前か。虐待受け続けながらひきこもってたやつだもんな。世界が狭いはずだ。




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