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すげぇことになった。すげえことを知った。マジでヤバイ。

『告白』

全ての元凶は月代だ。
そもそもあいつが
「水品いいところに!」
とか言って来てさ、
「上杉と放課後すぐに待ち合わせしてたんだけど
 ちょっと日直の仕事頼まれて遅れそうなんだよ。
 もう上杉行っちゃってるみたいで伝言頼まれてくれない?」
 
とか俺に(俺に!)頼むからこんなことに・・・・・・。

くそ。
同じクラスなのにわざわざ呼び出しして待ち合わせてる事に
重要性を見出せなかった月代と俺のうっかり具合もどうかと思う。
しかも上杉と待ち合わせている場所は旧校舎の使われていない教室。
意味深じゃないと思う方がどうかしてる。
が、変に勘繰るにも上杉と月代じゃ勘繰りようがないのも事実だった。

「上杉ー」
教室のドアの前で呼んだ。
それにしても誰一人いない旧校舎。
1階の突き当たりの教室はホント静まり返ってる。
ドアを開けようとした俺の影を察知してのことなのか
「月代、あの・・・・・・待ってくれ」
上杉の声が静止を促した。
ドア越しだから声がくぐもって違ったトーンで聞こえる。
そのせいで上杉も俺の声と月代の声解んねぇのかな、なんて思った。
そもそも月代が来ると思って待ってるんだからそう思い込んでても仕方ない。

月代じゃありませんよー。代行の伝言ですよー。
なんて軽口で否定しようとしたら恐るべき処遇にぶち当たった。
俺はこのときもっと早く否定の言葉を口にしていればと悔やまれてならない。

「そのままで聞いてくれないか」
え?あ、これ完全に月代だと思い込んでるな。
なんか重要なことだったらマズイ!とばかりに俺は行動に出た。
月代にバカだバカだと言われる俺だ。考えるより言葉が出る。言葉よりも行動に出る。
ガラリと教室のドアを開けたのと同時に真っ赤な顔でうつむいた上杉が痛烈な告白を発した。

「ずっと好きだった。」
はいいいいいいいい?
驚きすぎて「俺を?」とか聞いちゃう俺。
否、解ってる。解ってますよ。解ってるんですが混乱したんだよ。

「月代・・・を。」
そうですよね。はい。
「水品?」
はいそうです。伝言係の水品です。
「月代が日直の仕事頼まれたらしくて  
 少し遅れるって伝言・・・・・・を・・・・・・俺に」
言うの遅かったな。うん。
「そうか」

気まずいなんてもんじゃねえ。
でも、たぶん俺より上杉のが気まずいだろう。
俺が上杉の立場だったら気まずすぎて死にそうだ。
告白の相手間違ったってだけじゃなく相手が同性なんてさ。
しかもその相手がよりによって月代とか何の冗談だっての。んん?

「ええええええええええええ!?」
「・・・・・・」
「上杉が月代に告白!?」
「・・・・・・聞き苦しいものを聞かせてすまない」
「それって恋とか恋愛の意味での好きってこと?」
「そういうことなんだ」
相変わらず真っ赤で俯いた顔の上杉が言った。
こんな会話してんのに優等生の精悍な顔立ちは健在だ。つーか、
「上杉ってホモなの?」
ああ、俺ってやっぱデリカシーねぇな。
「あっごめん・・・・・・その」
「そう・・・・・・なんだろうな。
 他に誰かをこんな感情で好きだと思ったことがないから解らないんだ」
俺のデリカシーのない問いに律儀に答える上杉はいいやつだなぁと思った。
「そんなつもりじゃなかったけど、聞いちゃって悪かったな。誰にも言わねぇから。その」
「こちらこそ確認もせずに不用意だった。
 水品にとばっちりを食らわせた。すまない。
 でも・・・・・・水品で、水品が来てくれてよかった」
「え?」
「やっぱり告白するべきじゃなかった・・・・・・と思う。ありがとう水品。」
うっかりハチベエな部外者の俺にありがとうなんて言っちゃってる上杉。
「告白、しねえの?諦めるってこと?」
「気が焦りすぎていて・・・・・・時期尚早だったと思う。
 迷惑をかけないように伝えられる時があればまたいつか。
 今は、その時じゃないように思う。」
「ふうん」
上杉が月代を・・・ねぇ。改めて認識した。
気持ち悪いかと言えば意外だけど不思議とそういう感情はない。
上杉は面倒くさい片想いしてんだな、と同情してしまったくらいで。

「なんで月代なわけ?」
「え?」
あ、また俺、考えなしで口走っちゃった。
「や。上杉モテるらしいじゃん。
 古泉の情報だけどさ、上様とか言われててファンいるって。
 そんな上杉がよりによってなんであんな月代なんかをさー」
「・・・・・・水品は」
「は?俺?」
「いや、いいんだ」
「なんだそりゃ。 
 しかし驚いたなー」
「すまない」
「別にいいけどさ」
「月代と仲が良い水品にとっては不快な話だろう。
 気持ちの悪い思いをさせて悪かった」
さっきも思ったけど気持ち悪いとは思わなかったんだよな、俺。
「好きになっちゃったんなら
 しょうがねぇんじゃね?
 別に気持ち悪くねえよ」
あ、これ、月代も言いそうなセリフだな。
月代も気持ち悪いなんて言わないだろうな。
むしろ「ありがとう」とか言って笑いそうだぜ。
上杉はやっと顔を上げてちょっとびっくりした顔してた。

「でも、なんで月代?」
席は隣同士だった気がするけど
上杉と月代の接点が見当たらない。
ここまで思い詰めて恋しちゃった理由って?
「解らない。
 気が付けば好きになっていた。
 好きにならない理由がないんだ」
壮大な告白に俺は固まってしまった。
おい、月代、おまえどんだけなんだよ。

「協力・・・・・・してやろうか?」
「え?」
報われないまでも
ここまで立ち入って聞いちゃったからには
なんかしてやれることはないかなと思ってしまった。

「仲を取り持つとかはできねーけど、月代の好きなタイプとか聞いてやろうか?」
つっても普通は女だよなぁ。前提的にそこからだよなぁ。
うわ、上杉とんでもなく不憫な恋してんのな。
「水品は良い人だな」

俺が上杉に対して思った感情を口にされた。
そんなこと俺に言うヤツなんか滅多にいねぇよ。
「上杉がいいヤツだからそう見えんだよ。
 俺もう行くわ。どうする伝言?ここで月代待ってる?」
「そうだな、待って当たり障りのない会話でもしようと思う。
 来てくれて、聞いてくれて、ありがとう水品。」
礼なんか言われた。
上杉って表情崩れないお堅い優等生ってイメージだったけど
なんか思ってたよりいいヤツで、改めて顔見たらやっぱ整った顔してた。
答辞読むくらい頭良くて学年主席で女子のファンがいてなんで月代を、と改めて思った。不憫なヤツ。

上杉を残して教室を出たら
廊下の先でこっちに向かう月代が見えた。
大股で廊下走って来て急いでるのが解った。
「よう月代」
「水品、まだ上杉いる?」
「いる」
「そっか伝言ありがと」
「月代、」
「ん?」
「忘れ物」
月代の背にバックドロップを見舞ってやった。

「なんだよいきなり。いてぇ」
とか言いながら上杉の待つ教室に走っていった。煩ぇ。それくらい食らっとけ。
あ~あ、あの教室であの上杉があの月代と何て話してるんだろうなぁと思った。
あの告白、俺じゃなくて実際月代が受けてたらどう展開したのかなぁとも思った。
上杉の秘密の恋をよりによって俺なんかが知っちゃうなんて本当についてない。
ついてなさ過ぎてこの恋が自分のもののような気すらしてきてどうしようもない。

くそ月代め。
空を見上げたら雲ひとつない青空がバカみたいに広がってた。










水品上杉の恋を知る



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