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「で、俺の秘密って何だよ?」
「思い浮かばなかったんだ?」
「だったら何だよ」
「俺が知ってる水品の秘密の話はね・・・・・・」

それ、言わなきゃだめか?
まあ、それくらいしかないけど。


『秘密の話(後編)』


「俺から言うね」
古泉が言った。
月代はえ?って顔してたけど
古泉は気に止めないように話し始めた。

「実は学校の敷地内で菜園やろうと思ってて
 空いてる花壇に種まき中なんだ」
なんだその秘密!
ああ、でも、見つかったら怒られるかもって意味では
秘密は秘密なんだろうな。怒られるのかな?
月代は不思議な顔して古泉を見てた。
「何、植えるんの?」
「花壇じゃせいぜいハーブくらいかな。
 家庭科部で使う分くらいは育てたいのよね」
「もっと広いところがあったら?」
「野菜かなぁ。そうなるともう家庭科部じゃなくて園芸部よねぇ」
「園芸部かぁ」
俺にとってはわりとくだらない話なんだけど月代は真剣に聞いてた。
「俺の秘密は終わり。
 水品がくだらないとか思ってそうな顔してるけど
 次は水品だからね。」
「俺?」
「そう。水品。
 自分で言うのが嫌なら俺が話そうか?」

・・・・・・。
・・・・・・。
「否、いい」
ああ、どう言おうかな?
言ってしまえば大した話でもない。
改まって言うから言いにくいだけだ。
でもなぁ。勘違いかもだしなぁ。でもなぁ。
本人目の前にしていまさらな話言いにくい。

「言いたくなかったら言わなくてもいいよ」
月代が眉をひそめてそう言いそうな顔をした。
ばっか。言うよ。言いたくないわけじゃないから。


「違うかもしんねぇけど」
「うん」
 
ああクソ。
柔らかに俺を見る月代の表情があの日に重なる。

「教室で会うより前に見た・・・・・・と思う」
「え?」

「月代を」
「俺?」
「桜の下にいただろ?
 ・・・・・・いた・・・・・・よな?」
違っていて欲しいのか
そうであって欲しいのか
ずっとよくわからなくて言えずにいたけど、
肯定してくんなきゃ秘密交換にならない気がして
今は月代が頷いてくれることを漠然と願った。 

「そうかも。
 ・・・・・・ああ、それで」
「なんだよ!」
「教室で水品が大声出したの
 そういうことだったんだなって」
「おっ覚えてたのか!」
「忘れないよ」
月代がくすくす笑う。
古泉もごもっともと苦笑する。
「もっと早くに学校来れたんじゃねーのか?
 なんで5日遅れで入学とかして来てんだよ」
以前聞いたときは家庭の事情とか言ってたっけ。

「こーら。
 水品が秘密話す番でしょ。
 なんでつっきーに質問してんの?」
やんわりと古泉が言う。
だって俺の秘密もう言ったじゃん。
「まだ終わりじゃないでしょ」
見透かしたように古泉が付け加えた。
「何をだよ」
「・・・・・・」
無言の圧力。

勘弁してくれよ。
桜の下で泣いてただろう?
それを見て俺も泣きたくなった。
とか、儚い幻のようだったとか、さ
そう言うこと言えってことなのか?

「違うよ」
古泉はまたも見透かしたように言って
「ごめん水品。
 俺の無理強いだったわ」
と神妙な顔して謝った。
何だか解らないが俺は解放されたらしい。 
つまりは俺の秘密の話は終わりってことだ。

いよいよ月代の秘密の話だなって月代を見たら
「やっと言える」だってさ。
言いたかったのかよ。

「俺、学校関係者なんだ。
 って言うか・・・・・・理事長代理?」
「は?」
「・・・・・・」
さすがの古泉も絶句の様子。

「だから水品の話も古泉の話も
 意外と関係なくはないというか」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「どう言えばいいのかな。
 俺の保護者だった人がこの学校の後継者だったんだけど
 その人それできなくなっちゃって俺が急遽任されちゃって」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「つまり、表立っては秘密なんだけど俺がこの学校の理事長ってことになってる。
 その手続きで入学が遅れたけど学校には来てたりしたところを水品に見られてた、と」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「だから古泉の菜園の件。
 友達だからってことじゃなくて良い提案としてもらっとくよ。
 確か使われてない畑あったはずだから認可も容易だと思う」
「・・・・・・それはありがたいけど」
やっと古泉が言葉を発した。
「これってかなり重要な秘密なんじゃないの?
 バレたらクビになったりするんじゃないの?」
俺はそこまで考えが及ばなかったけど
古泉に言われて重大さに気づく。
「クビはともかく学校は変わらきゃなんないかもだけど
 一応、表立っては身代わりになってくれてる人がいるから
 秘密も通せるし実質そこまで大変な事態にはならないと思ってる」
「そうなの・・・・・・それでも・・・・・・」
なんで俺を見るんだよ古泉。
俺がバカやってうっかりバレるんじゃ?ってか。
「なんでそんな大事なことを俺達に話す気になったの?」
視線を月代に戻してから古泉は心配そうに言う。

「古泉と水品だからだよ。
 君たちからバレるなら良いんだ。
 秘密にしておくほうが心苦しかったから」
だってさ。
君たちって言い方は照れ隠しなんだろう。

俺と古泉はなんとなく顔を見合わせて
「ありがとう」
「おう」
と言った。

なんか月代の秘密はとんでもなかった。
でも、別に月代は月代だし。
理事長だろうが学園長だろうが
だからなんなのか俺の頭じゃわからない。

「使われていない旧校舎をね、」
なんだ?
「見回ったときがあったんだけど」
なんだなんだ?
「人なんているわけないと思ってたら
 いてさ、見つかったことがあってさ、
 だからそいつにはいつかバレるかも」
だれだよそいつ。

「うちのクラスの上杉」





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