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もうすぐ春休みだなーサッカー部の俺には休みなんてないけど。と
白い息を吐きながら自主練習にストレッチしてたら 
「月代、上杉と付き合うって」
古泉が唐突に告げた。

「はぁ?なんだよそれ、意味解んねーし」
「恋人同士になるってこと。
 理解できた?」
「できるか。んな話、聞いてねーし」
「今、聞いてるじゃない」
「月代から聞いてない」
「俺が止めたから」
「はあ?」
「つっきーが水品にも報告するって言ってたけど
 俺から言うって止めたの」
「なんでだよ」
「泣くからだよ」
「誰がだよ」
「もしくは暴走するからだよ」
「だから誰が、」

古泉は黙って俺を見た。
俺かよ。

「男同士で恋愛もくそもねーだろ。
 月代はバカだと思ってたが上杉もかよ」
「その上杉の方がずっとつっきーのこと好きだったの、
 水品がいちばん知ってたことじゃない?」
「うっせぇ」
知ってたけど
知ってたけど
まさか月代がOKするなんて思わねーじゃん。

「いままでそんなそぶり全然なかったくせに
 なんでいきなりそういうことになってんだよ。
 意味わかんねぇ」
「つっきーの中で動いたのかもね」
「何がだよ」
「上杉への感情」
「なんで今更・・・・・・」
「保留期間を生かせなかった水品に言われたくないよ」
「なんだよそれ」
「もういいよ。解らなくて。
 その方がキミのためだろうし」

ひらひらと手を振って中庭から校舎に向かって行く古泉を見ながら
信じられない気持で青い空を仰ぐ。
上杉と月代が付き合うだってさ。

「信じられっかよ」
信じたくねえよ。


『like or love』


上杉と月代が付き合うことになったらしいが特に変化はない。

2年に進級して月代は俺と同じ教室でバカなこと言って笑ってるし、
上杉は月代と違うクラスになったから月代と一緒にいる機会少ない。

二人が一緒にいるとこを見る機会がそもそも少ない。

ただ時折、
廊下で並んで話している二人を見る。
合同体育の授業で笑い合ってる二人を見る。

「月代とあの上杉って仲ええの?」
その光景を見ていたら2年になってから時折つるむ細山田が聞いてきた。
2年になって同じクラスになって月代となんか仲いいから俺も仲良くなった奴。
「あの、って何だよ?」
「優等生って言葉がぴったしな上杉と、って意味。
 なんか月代とおるようなイメージないし。
 や、月代が不真面目ゆう意味やないで」
うん。細山田の言いたいことは解る。
「同じクラスだったんだよ、去年」
付き合ってるんだってよ、今。とは言えねぇじゃん。
「あ、そうなん。けど、それだけやろ?」
「俺も月代とはそれだけなんだけど?」
「それ言うたら俺も今同じクラスってだけやけど、
 なんかなー、上杉って近寄りがたい感じあるからかな」
「話せば気さくでいいやつだよ、上杉は」
月代に恋心さえ抱かなければ、さ。
「あ、そーなん。
 んじゃ、今度、月代とおるときうかがって話しかけてみよ」
「おう」

あー、マジで付き合ってんだなーって思うときが、ある。
付き合い始める直前くらいに怪我した上杉をすげぇ心配してる月代の顔とか、
放課後の廊下で月代を待ってたりするときの上杉のすげぇ嬉しそうな顔とか、
「上杉」って呼ぶときの月代の優しい声とか、
「月代」って微笑むときの上杉の甘い声とか、
付き合ってるって知んなきゃきっと気が付かない些細なことでも気付かされる。

その度に少し、おもしろくねぇって思ってる俺がいることにも気付かされた。

「月代、」
「ん?」
俺に接する態度まで最近やけに優しいのにもむかつく。
「付き合うってなに?」
「え?」
「だから、付き合うって具体的にどういうことなんだ?」
「大切にする、ってことかな」
「上杉を?」
「うん」
俺より?古泉より?楠木より?と問い掛けて辞める。
だってさ、大切にする、って定義からして曖昧すぎる。

「具体的にどうなんだよ?
 キスとかそういうことをするかしないかってことか?」
代わりに聞いたダイレクトアタック。俺はほんとバカだよな。
月代の沈黙が痛い。けどここ聞かないとなんかすっきりしないんだ。

「同じようなこと、俺、上杉にも聞いたことあってさ、」
え?こんな質問にちゃんと考えて答えてくれんのか?
「愚問だったんだろうな、って今、聞かれて思った」
「え?」
「したければするかもだし、
 しなきゃしないでもいいんだ」
したければするのかよ。と、なぜか沈む俺がいる。
「好きでいていいんだって安心があって
 そういうのにドキドキできる関係があるだけでいいんだ。」
上杉にドキドキすんのかよ。って、ますます沈む俺がいた。

「・・・た・・じゃん」
「え?」
「月代に俺、キスしたじゃん」
覚えてねーけど。
「あ、うん」
「あ、ん時はドキドキとかしなかったのかよ」
「水品の行動にいちいちドキドキしてたら身がもたねーよ。この酔っ払い」
ちぇ。
「悪かったな」
「べつにいーよ。
 おまえが後悔しなけりゃ、さ」
いーのかよ。

「上杉は男が好きなのか?月代もそうなのか?」
俺はさ、月代は違うって思ってた。
だから上杉の一方通行片想いで終わるんだろうって思ってた。
上杉も女にもてるしそんなイメージなかったからそのうち目が覚めんだろって思ってた。

「上杉はどーなのかな。こういうの初めてだって言ってた。
 俺は、俺も、どーなのかな。男でも女でもあんま、抵抗ない」
俺でも、か?と聞きそうになったけど、自分の発言の無礼さに気付いて
「ごめん。不躾な質問ばっかした」
今更だけど謝る。
だいたいこいつ、月代、
んなこと聞くなって怒ればいいのに、
ちゃんと聞いてくれて答えてくれるのがわるい。
「水品だったらいいよ。
 理解してくれようとしてるんだって思うし
 マイノリティだって距離置かれるよりその方がいい」
「そうかよ」
少しだけ解ったから。
上杉が月代に告白した理由。

月代を独占したかったら恋人になるのがイチバンだってそう、思ったんだろ?




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