忍者ブログ
キャラの日常日記ブログ
  • /04 «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • » /06
カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

リンク
カテゴリー
解析
最新コメント

[02/11 しゅうむ]
[01/28 しゅうむ]

最新記事

(11/10)
(08/28)
(08/14)
(05/04)
(12/14)

最新トラックバック

プロフィール

HN:
white note
性別:
非公開

バーコード
RSS
ブログ内検索

アーカイブ
最古記事
カウンター

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「来たよ。
 何したらいい?」
アトリエをノックする音にドアを開けたら白雨がいた。

「あーとりあえずそこの窓、そこ座って、
 本好きなんだっけ?本読んでてくれればいい。」
「そんなんでいいの?」
「そんなんでいい。」
「うん。」
鞄から本を取り出して窓へ向かう。
窓の上には人が寝そべれるくらいの梁があって
その向こうは窓になっていて柔らかな日差しが注ぐ。
窓の向こうは緑の森が広がっていて真夏だというのに程好く涼しい。

「ここ、いいところだね。」
「だろ、自慢のアトリエだ。」
「臣さんしか使ってないの?」
「なんか賞取ったとかで好きにさしてもらってんだ。
 美術室みたいな建物もまだ他にあるからいんだろ。
 ここ一般校舎からは離れに立ってるから元々あんま使われてなかったらしい。」
「ふうん。
 ここの窓は全部森の緑で学校から隔離されてる感じがいいよね。
 なんか秘密の隠れ家みたいで。」
「ああ、そーいうとこが気に入ってんだ。」

スパチュラをカンバスになすりつけながら
白雨の肌の色や髪の色こないだの月の色を重ねていく。

「背中、傷あるんだってな。」
「うん。見る?」
「いやいい。
 怖くなかった、のか?」
「怖いって言うか必死だっただけ。」
「妹を守るのに?」
「守って逃げるのに。
 すげー雨降ってて視界悪くて
 追ってきてるのかどっかに潜んでんのか解んなかったから。」
「それって怖くね?」
「守るものが自分だけならそうだったかも。
 ただ雨がすごかったってことくらいしか覚えてないよ。」
「ふうん。」

視界を霞める降りしきる雨。
白い雨。白雨。
スパチュラを綺麗に拭いてから新たな色を乾きかけた場所に重ねる。
塗りたくられた色折々のカンバスの上に揺るがない意思のように閃光を放つ白。


 




PR
<< らくがき * HOME * 強い男 >>

管理者にだけ表示を許可する
この記事のトラックバックURL

BACK * HOME * NEXT
BrownBetty 
忍者ブログ [PR]