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「ああ、こうなったか。」
部活で「送ってもらった。」と佐伯さんが携帯を見せてくれた。
とりあえず本人に見せるかなぁと携帯に送ってもらった画像を見る。

「なあ、古泉これなに?」
「いちおう本人には見せておこうと思って。」
月代の携帯に送った写メ。
月代は携帯を開いてそれを眺めている。
「これだったんだな。」
「え?なに?心当たりあるの?」
「あるもなにも昨日の放課後
 上杉と図書委員してたときのだもん。
 なんか図書室の空気が変だと思ったんだ。」
「佐伯さんって料理部の子のクラスメイトが
 球技大会で活躍してたつっきーを男子棟の図書館で
 見かけたことがあったのを覚えてて見に行ったんだって。」
「俺、そこまで活躍した?
 野球でメインピッチャーやってたの生田だし。」
「サッカーのもあるんじゃない?」
「あんな代打たいした時間出てないし。」
珍しく月代が不機嫌でちょっと可愛い。
いつもは歳不相応に動じない月代だから面白い。
「まあ、時の人だった月代を探しに行けば
 クールドールの上杉と一緒にいるんだから。
 女子大盛り上がりだったって言ってたよ。」
「クールドール?」
「上杉が人形みたいに冷めた精悍な顔してて
 無駄のない振る舞いと無感情に笑わないことから
 近づき難い冷たい精巧な人形みたいだって
 そんな風に呼んでる上杉ファンがいるみたい。」 
「う~ん。こないだよろけてたよ。
 危なっかしくてちょっとびびったけど。
 っていうか上杉笑うよな?笑わないっけ?」

うん。俺はね、少し女子たちの言うことも解るんだ。
上杉は月代といるときとそうじゃないときって違うんだ。
調理場から見える生徒会室への廊下を生徒会のメンバーと
歩く上杉の横顔は確かに少し冷たくきつい表情に見えるし隙がない。
逆に月代と話す上杉はどこか少し嬉しそうで柔らかく見えるんだよ。
だから、図書室で月代といる上杉の姿を見た女子が騒ぐのも無理はない。

「女子は別棟だから遠くでしか見れない分
 そういう上杉を目にする機会がないんだろうね。
 たまに目にしても壇上で演説してる真剣なトコばっかりでしょ。」
「なるほど。
 ちゃんと話せばおもしろいヤツって解んのにな。」
「おもしろい?上杉が?」
「うん。なんかおもしろい。
 ちょっと癒される。」
そう言ってうへへと笑った。
ちょっと機嫌が治ったようだ。
「さすがに俺はそういうイメージ無いけど、でもうん。
 無感情とかは思わないね。」
むしろ熱い人なんじゃないかと思う。
特に月代に対して、いっつも熱い視線で見てるもの。
「だよな。」
話に飽きたように伸びをして言った。
「写メどうする?」
「ん?」
「貴重な写メらしくて偵察に行った女の子達だけで
 こっそり楽しむつもりらしいからそんなに広まらないと思うけど。」
「あーうん。自分の知らないトコで知らないヒトがそう言うの
 眺めてると思うとちょっとむず痒いけど撮られたもんはしょーがないっつーか。
 どうしようもないしな。あんな球技大会で生まれた興味なんてきっとすぐ逸れるし。
 多分明日には別のやつにキャーキャー言ってるだろうから過ぎるまで放っておけばいいよ。」
「ふふ。
 調理部の彼女達と同じこと言ってる。
 一過性の熱病って言ってたよ。」
「さすが女子だ。
 写真はなー俺だけだったらしばらくして削除だろうけど上杉も写ってるからなぁ。
 熱病冷めた後に上杉と写ってるこいつ邪魔なんだけどってなったら悲しいよな。」
とか言いながら楽しげに笑っている。
月代も黙ってればクールドールっぽいと俺は思う。
綺麗な顔してるしときどき酷く冷めても見えるから。
「俺は保存しておくよ。」
なかなか貴重な2ショットだし
「これ月代に見せるために取引してもらった写メだし。」
「へ?取引?」
「月代の情報あげちゃった。」
「ふうん。どんな?」
「上杉といたかもだけど
 普段はすんごいバカとつるんでますって。」
「あはははははっ!すげぇ情報だ!」
「それから料理上手のオトモダチもいますって。」
「うん。古泉の料理美味いもんな。
 いままでいろんなもん食べてきたけど古泉のがいちばん美味い。」
「褒め殺し。」
「事実だし。」
「麻婆豆腐作ったんだけど食べる?」
「やった!食べる!」
「んじゃお昼調理室で食べよう。」
「楽しみだ~!!!」

「な、に、が、楽しみだぁ!!!」
月代が大きな声で両腕を上げて叫んだのが聞こえたのか
俺らを探していたらしい水品が猛スピードで駆けて来て月代に突き当たった。
月代は避けれるだろうに避けた時のバカのダメージを考えて避けるのを止めた。
水品は月代にぶち当たり、一緒にごろごろと転がる。月代からしたらとんだダメージだ。
「ぎゃー」
おまえが叫ぶな水品。
「痛っ・・・なにも突進してこなくても・・・」
ごもっともだよ月代。
「何やってんの。
 水品もいい加減もう少し脱バカしなさいよ。」
二人にしゃがんで痛そうにしている箇所をさする。

「おまえらが俺を置いてこんなとこで楽しみな話とかしてるからだ・・・」
はいはい。仲間はずれが寂しかったのね。
って言うか水品は月代がいないと寂しがるんだよね。
「ごめんごめん。
 古泉がこれ撮られたの教えてくれたんだ。」
あっさりと写メを水品に見せる。
水品に変に隠さないのがなんかいいなと思う。
俺からは見せる気がなかったから月代本人がそうするならいいんだ。
「ナニコレ?月代と上杉じゃん。
 ドココレ?図書室か?つーか目線ちがうし。隠し撮りか!」
「全部正解。」
「誰に?ああ女子か。
 ぶっちゃけ遠いし。ピントも微妙じゃね?
 わざわざここまで来て撮んなら撮らせてくれって言えよな。」
「水品、大正解だ!」
「水品にしてはすごく正しいことを言ったわね。」
「なんだよ、バカにしてんのか?」
「いや、俺はむしろ尊敬した。
 そーなんだよなんか気持ち悪いなーって思ってたんだけど、
 そういうことだよ。
 意識してない自分の写真なんて薄目で写ってる写真より気持ち悪い。」
「頼まれれば写真くらいねぇ・・・。」
むしろ上杉なら転送してくれるならっ撮って欲しそう。
「写メなんて正面向いてガン見じゃねーと楽しくねーじゃん。
 よし!俺らは肩組んで撮るぞ!こっち寄れ!」
水品が自分の携帯を掲げて俺と月代を寄せる。
水品の合図と共にちいさなカメラのレンズを見る。
「っら!見ろ!俺カメラうめー!」
確かにキレイ収まって笑う
月代と水品と俺がこっちを向いて楽しそうに写っている。
「ほんとだ、これ俺にも頂戴。」
「俺も。」

撮るならやっぱりこういう写真がいいね。
けど、どんな写真でもたぶん、嬉しいんじゃないかな、一緒なら。
「つっきー。 
 隠し撮りの写真のこと上杉にも知らせてあげたら。当事者だし。」
「うん。そうする。」

上杉はきっと保存する。


放課後になった。
昨日の強引な約束を取り付けた場所に向かう。
学年委員の仕事は昼休みに済ませたから気兼ねはない。

「月代。」
「おお、来たね上杉。」
そう言いながら上下式の蓋を上げて
図書委員の座るカウンターの中に入れてくれる。

「上杉ももの好きだよな。」
「え?」
「だってわざわざ手伝いに来てくれるなんて。」
「ああ、別に俺は来たかったから。」
一瞬気持ちがバレたのかと思い冷やりとした。
「なんで?」
月代が好きだからだ。
もっと一緒にいたいからだ。
教室では隣の席なのにいつも水品や古泉がいて話す機会が無いから。
今思えば偶発的なことだけれどここに俺が月代といられる場所があるから。
「ここはいごこちがいい。」
「ああ、納得。
 俺も図書室好きだから同じ理由だ。
 本に囲まれてるとなんかすげえ安心すんの。」
俺は本も好きだけれどそれ以上に月代が好きだ。

「これ返却おねがいします。」
「はいはい。えっとこの2冊ね。」
本の紛失と返却忘れを防ぐため
本にはチップが埋め込まれている。
専用の機械の上を返却された本をスライドさせて
返却作業を終えて「はい、返却されました。」と月代が言う。

「なんか今日、図書室利用者多いな。
 返却より貸し出しの方が多いんだけど
 読書感想とかそういうのあるのかなあ。」
月代が呟く。
言われてなるほど確かに利用者の姿が多い。
見慣れた者もいるけれど見慣れない者が多い。
見ていて気付くのは本を読んでいるのか解らない者が多い。
というか、見渡して何人かと視線がぶつかり慌ててそらされる。
「なんだ?」
「どうした?」
「いや、気のせいかもしれないが・・・」
俺が周囲をゆっくり見渡すと
同じように月代も見渡した。
「ああ、気のせいじゃないかも。」
「え?」
「上杉のこと見てるんじゃない?
 昨日の委員の仕事でまたファン増えたのかも。」
「昨日は委員より活躍した生徒だろう。
 それこそ・・・月代を見ているんじゃないかと。」
ああ、そうだ。きっと、そうだ。
「まさか。
 それにしても男子棟の図書室なのに女子の利用者増えたよね。」
「そうだな。
 今まで来た時はいないほうが多かった。」
「ね。
 禁止されてるわけじゃないんだから
 互いが行き来して交流すんのは活気が出ていいよね。
 勇気出してこっち来てる女子に口笛吹く男子とかどついてやる。」
月代の優しさが悲しくなる。
月代の魅力が切なくなる。

「月代は誰にでも優しいんだな。」
俺にも。
そうするのが当たり前のように優しい。
その優しさが染みてきて勘違いしそうになるほど。
「へ?俺? 
 優しくないよ。
 ほんとうは人あたり最悪だよ。
 ただ今は、ちょっと必死になってるだけ。」
「優しい。」
「上杉。」
「優しいんだ。」
「そう見えるなら、優しいのは上杉だよ。」
ちょっと困ったように笑う。
「今日は、本いいのか?」
「え?」
「いつもカウンターの中で読んでいるから。」
「ああ、今日は上杉来るって言ってたから。」
「気を遣わせたな。すまない。」
「いえいえ。楽しみにしてたよ。
 ねえ、上杉、なんか悩んでる?」
「え?」
「ここ、たまに、若山先輩とか
 クラス違うやつとかがなんか
 悩み相談みたくたまに来んだよね。
 上杉もなんか昨日様子が変だったから。」
「悩み・・・」
「言いたかったら聞くし
 言いたくなくて悩みたいだけならそれでもいいよ。」
「悩みというか、ただ、月代と話がしたかったんだ。」
「俺と?まじで?」
「ああ、迷惑じゃなければ。」
「嬉しいよ。どうしようにやけるじゃん顔。」
「そうか。俺も嬉しい。」
「・・・なんか上杉ってさ・・・・」
「なんだ?」
「天然?」
「天然?」
「はははっ聞かれても困るよな。
 いやなんかさ、上杉といると癒されるんだけど俺。」
「そう・・・なのか。」
「俺、上杉みたいな人好きだよ。」
「え・・・」
「さっき俺のこと優しいとか言ってたけど
 たぶん上杉に優しくしたいオーラがあるんだ。
 そういう人こそ優しい人で優しくしたくなるんじゃない?
 って俺上杉にたいして親切なことした記憶ってないけどな。」
なんだかすごく褒められている気がする。
それにさっき好きだって。人としての意味でも嬉しい。
頬の温度が上がるのが解る。さっきから耳が酷く熱い。
「そんなことはない。俺は月代に何度も助けられた。」
「そうだっけ?」
「先日も渡り廊下で・・・」
「俺、基本親切な人間じゃないから
 そうしたってことはそうしたくなる上杉ありきってことじゃないかなぁ。」
月代はふふふと笑って、「あんまりかいかぶられるとがっかりされたとき申し訳ないよ。」と言った。
がっかりできるのならさせて欲しい。
毎日膨れ上がるこの感情を沈静して欲しい。
だってたったいまこの時だって好きにならずにいられない。

「それにしても、なんか今日変だな。」
「え?」
「いやなんか・・・ざわざわする。」
「ざわざわ?」
「上杉のせいじゃないんだよ。
 なんだろう図書室の空気が落ち着かない。」
「そう、なのか?」
「う~ん。まあいいか。
 上杉いるから心強いし。」
「え?」
「ごめん、なんかわけ解んないこと言っちゃって。
 気にしないで。」
月代はそういうとぽりぽりと頬を掻いた。
「なんの話しようか?」
そう笑う月代の顔はもう曇ってなくて
ああやっぱり優しいなと思ってしまった。







「ねえ古泉君、昨日の球技大会で古泉君のクラスの
 サッカー途中交代して出た人なんていう人だっけ?」

家庭科部の部活として調理室で餃子の皮を作りながら
女子部の佐伯さんが聞いてきた。
「月代のことだと思うけど、何?」
俺は豆腐を茹でながら返す。
「あの人って一度ここで見かけた人だよね?」
ニラとニンニクと白菜を細かく刻みながら
もうひとりの家庭科調理部員である佐々木さんも会話に加わる。

そういえば以前ここで月代にパスタの試食をしてもらったときに
忘れ物を取りに来た佐々木さんと逢ったことがあった。
その日は部活のない日で俺が自主的に使ってたから
全くの偶然ではあるけれど実は月代はここに割りと
頻繁に現れては試食したりだべったりしていたりする。
不思議なことに佐伯さんや佐々木さん他の女子が
いるときはセンサーでもついているかのように現れない。

「ああ、そうね。うん。それそれ。」
「なに?佐々木さん、逢ったの?」
「うん。なんか不思議な人だった。」
「不思議?月代が?」
「う~んなんていうかふわっとしてたっていうか。
 かっこよかった気がするんだけどなんか印象が曖昧なのよね。」
水品が一目惚れした月代の第一印象が、曖昧・・・ねぇ。
「見てた友達はすっごいかっこよかったって言ってたよ。
 活躍も見た目も。
 次の試合も観に行ったのにいなかったってがっかりしてた。
 そんなに活躍してたらしいのにどうして出てなかったの?」
「代役で出てたらしいよ。
 手当てしてた人が戻ったからひっこんだみたい。」
「ああ、そうなの。」
「へえ、改めて見て見たい気はするね。」
この部の女子2人は男子にキャーキャー言うタイプじゃない。
だから関心をもたれる月代の話題はちょっと不思議な気がした。
とはいえ基本他人情報から入るので本人達はいい意味で冷めている。 
だから「友達なんでしょ今度連れてきて」なんてくだらないことは言わない。

「うちのクラスはバスケで優勝したよ。
 私の出たテニスは1試合目で負けちゃったけど。」
「私は決勝まで行ったよ。ソフトボール。 
 優勝はなかったけどね。古泉君は?」
「野球が優勝したよ。俺はバスケで負けたけど。
 身長だけでバスケに決めるのいいかげん辞めて欲しいよ。」
「あはは。あるよねそういうの。」
「体格いいとキャッチャーに決められたりね。」
ほらもう話題は別のことに移っている。と思えば、

「野球で優勝したチーム、古泉君のクラスだったんだ。
 かっこいい子がいたって騒いでる子達いたよ。」
「あ、うちのクラスでもいた!ピッチャーやってたって。
 あとすごいの打ったって言ってた。」
「ピッチャー・・・ねえ。3人が交代でやってたからなぁ。」
「サッカー部の子って聞いたよ。
 あれ?サッカーも出てたって言ったんだっけ?」
「私は図書委員してるの見たことがあるって聞いたよ。
 確かめるために今日こっそり男子棟の図書室行くって。」
「・・・それ月代だわ。」
また月代に話題が戻ってる。
つーかわざわざ見に行くもんかね。
運が良いのか悪いのか今日は月代の図書委員担当の日だ。

「まあそういうのイベント後の熱病みたいなものだから。」
「うんうん。一過性の流行みたいなものだから今だけだよ。」
「だといいけどねぇ。」
俺はひき肉を唐辛子とごま油で炒めながら返す。
水品と上杉の熱病はひとまず終わりが見えないからね。

サッカー部で野球でピッチャーやってた人、だったなら水品なのにね。
水品がたとえば可愛い女の子に告白とかされちゃったら
水品どうするんだろうな。熱病冷めちゃうかな。

冷めないだろうな。

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BrownBetty 
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