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自分でもこれほどまでになぜ?

と思うのだけれど
月代のことが好きでどうしようもない

どうしようもなく好きなんだ。

ただの憧れかと思っていたけれど
月代を見ているだけで心が穏やかでない。
男同士でどうしてこんな感情が生まれるのか
不思議で仕方ないのに恋焦がれる自分がいる。

だって彼に触れたい
触れられたい

と望んでしまうのだ
月代からしたらとんだ気持ちの悪いことだろう

どうすればいい?
この感情を無くせるものなら
とっくに無くしているところだ

でも無くせない
無くならない
むしろ増してさえいるのだ
日に日に俺は月代に恋している

ああ、ほんとうにどうしようもない

こんな感情は初めてなんだ。

異性だとか同性だとかではなく
たぶん今までで初めての感情
月代だけに発動してしまった感情

俺が女だったらとか
そういうのは不毛だし
だったからといってなんなんだとも思う

月代が俺に笑ってくれただけでこんなにも嬉しい

それ以上にどうこうなんて考えられないのだ
俺が男であれ、女であれ、
俺が月代を思うように月代が俺を思うことはないだろう

だから、やっぱり、どうしようもない
そしてどうしようもないくらい月代が好きだ。


ーーーーー月代が好きだ。








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俺は彼の事が気になって仕方がなかった。
どうしてだか彼の声や顔や動きすべてに
目を奪われずにいられなかった。
心を囚われずにいられなかった。

出会いは高校に入ってすぐのクラスメイトとして。
入学式よりも5日遅れで入学してきた彼は
「月代(つきしろ)白雨(はくう)です。よろしく」
と、まるで転校生のように自己紹介をしてみせた。

「あいつっ!おい!こらっ!」
と後ろの席でいきなり叫ぶ生徒がいたから
知り合いなのかと月代を見たけれど
「誰だっけ?よろしくな」
と漂漂と↓口調で笑っていた。
「はあ!?覚えてねーのかよ!
 ・・・・・・水品だ!覚えておけ!」
水品と言うらしい。

「騒がしいぞ水品。
 月代の席は窓際のあの空席な」
担任の笠岡先生に促されて月代が向かってくる。

水品の近くにいた長身の生徒が月代に目配せして
「ごめんね。見ての通り水品ってバカなのよ
 悪気はないんだけどどうしようもなくバカなの
 あ、俺は古泉。よろしくね」
とひそひそと告げていた。

「うん、よろしく」
月代はそう返すと俺の隣の席に座った。
そして古泉に言ったように少し笑って
「お隣さんもどうぞよろしく」
と言った。

その声に、表情に、ドキッとしたぶん
返すのが遅れたうえに声が上ずってしまったが
「上杉です。こちらこそよろしく」
となんとか返すことができた。

この時から俺はずっと月代を見ていた。
挨拶を交わすこと以外話しかけることもできないままで
ただ、毎日、毎時、いつもいつも盗み見るように見ていた。

それが恋だと気付かぬまま。

放課後になった。
昨日の強引な約束を取り付けた場所に向かう。
学年委員の仕事は昼休みに済ませたから気兼ねはない。

「月代。」
「おお、来たね上杉。」
そう言いながら上下式の蓋を上げて
図書委員の座るカウンターの中に入れてくれる。

「上杉ももの好きだよな。」
「え?」
「だってわざわざ手伝いに来てくれるなんて。」
「ああ、別に俺は来たかったから。」
一瞬気持ちがバレたのかと思い冷やりとした。
「なんで?」
月代が好きだからだ。
もっと一緒にいたいからだ。
教室では隣の席なのにいつも水品や古泉がいて話す機会が無いから。
今思えば偶発的なことだけれどここに俺が月代といられる場所があるから。
「ここはいごこちがいい。」
「ああ、納得。
 俺も図書室好きだから同じ理由だ。
 本に囲まれてるとなんかすげえ安心すんの。」
俺は本も好きだけれどそれ以上に月代が好きだ。

「これ返却おねがいします。」
「はいはい。えっとこの2冊ね。」
本の紛失と返却忘れを防ぐため
本にはチップが埋め込まれている。
専用の機械の上を返却された本をスライドさせて
返却作業を終えて「はい、返却されました。」と月代が言う。

「なんか今日、図書室利用者多いな。
 返却より貸し出しの方が多いんだけど
 読書感想とかそういうのあるのかなあ。」
月代が呟く。
言われてなるほど確かに利用者の姿が多い。
見慣れた者もいるけれど見慣れない者が多い。
見ていて気付くのは本を読んでいるのか解らない者が多い。
というか、見渡して何人かと視線がぶつかり慌ててそらされる。
「なんだ?」
「どうした?」
「いや、気のせいかもしれないが・・・」
俺が周囲をゆっくり見渡すと
同じように月代も見渡した。
「ああ、気のせいじゃないかも。」
「え?」
「上杉のこと見てるんじゃない?
 昨日の委員の仕事でまたファン増えたのかも。」
「昨日は委員より活躍した生徒だろう。
 それこそ・・・月代を見ているんじゃないかと。」
ああ、そうだ。きっと、そうだ。
「まさか。
 それにしても男子棟の図書室なのに女子の利用者増えたよね。」
「そうだな。
 今まで来た時はいないほうが多かった。」
「ね。
 禁止されてるわけじゃないんだから
 互いが行き来して交流すんのは活気が出ていいよね。
 勇気出してこっち来てる女子に口笛吹く男子とかどついてやる。」
月代の優しさが悲しくなる。
月代の魅力が切なくなる。

「月代は誰にでも優しいんだな。」
俺にも。
そうするのが当たり前のように優しい。
その優しさが染みてきて勘違いしそうになるほど。
「へ?俺? 
 優しくないよ。
 ほんとうは人あたり最悪だよ。
 ただ今は、ちょっと必死になってるだけ。」
「優しい。」
「上杉。」
「優しいんだ。」
「そう見えるなら、優しいのは上杉だよ。」
ちょっと困ったように笑う。
「今日は、本いいのか?」
「え?」
「いつもカウンターの中で読んでいるから。」
「ああ、今日は上杉来るって言ってたから。」
「気を遣わせたな。すまない。」
「いえいえ。楽しみにしてたよ。
 ねえ、上杉、なんか悩んでる?」
「え?」
「ここ、たまに、若山先輩とか
 クラス違うやつとかがなんか
 悩み相談みたくたまに来んだよね。
 上杉もなんか昨日様子が変だったから。」
「悩み・・・」
「言いたかったら聞くし
 言いたくなくて悩みたいだけならそれでもいいよ。」
「悩みというか、ただ、月代と話がしたかったんだ。」
「俺と?まじで?」
「ああ、迷惑じゃなければ。」
「嬉しいよ。どうしようにやけるじゃん顔。」
「そうか。俺も嬉しい。」
「・・・なんか上杉ってさ・・・・」
「なんだ?」
「天然?」
「天然?」
「はははっ聞かれても困るよな。
 いやなんかさ、上杉といると癒されるんだけど俺。」
「そう・・・なのか。」
「俺、上杉みたいな人好きだよ。」
「え・・・」
「さっき俺のこと優しいとか言ってたけど
 たぶん上杉に優しくしたいオーラがあるんだ。
 そういう人こそ優しい人で優しくしたくなるんじゃない?
 って俺上杉にたいして親切なことした記憶ってないけどな。」
なんだかすごく褒められている気がする。
それにさっき好きだって。人としての意味でも嬉しい。
頬の温度が上がるのが解る。さっきから耳が酷く熱い。
「そんなことはない。俺は月代に何度も助けられた。」
「そうだっけ?」
「先日も渡り廊下で・・・」
「俺、基本親切な人間じゃないから
 そうしたってことはそうしたくなる上杉ありきってことじゃないかなぁ。」
月代はふふふと笑って、「あんまりかいかぶられるとがっかりされたとき申し訳ないよ。」と言った。
がっかりできるのならさせて欲しい。
毎日膨れ上がるこの感情を沈静して欲しい。
だってたったいまこの時だって好きにならずにいられない。

「それにしても、なんか今日変だな。」
「え?」
「いやなんか・・・ざわざわする。」
「ざわざわ?」
「上杉のせいじゃないんだよ。
 なんだろう図書室の空気が落ち着かない。」
「そう、なのか?」
「う~ん。まあいいか。
 上杉いるから心強いし。」
「え?」
「ごめん、なんかわけ解んないこと言っちゃって。
 気にしないで。」
月代はそういうとぽりぽりと頬を掻いた。
「なんの話しようか?」
そう笑う月代の顔はもう曇ってなくて
ああやっぱり優しいなと思ってしまった。








「ラケット持ってきました。
 って、あれ?上杉?」
倉庫を開いて中に収めやすいように整理をしていたら
夕焼けを背負った月代が入り口から顔を覗かせた。
「月代?」
「うん。ラケット持ってくように佐原が。
 これどこに収めればいい?」
「あ、こっち、ここに。」
ラケットを収める月代の背を見る。
佐原が月代をここに寄こしてくれたのか。
「んで、サッカーボールのカゴって・・・これか。
 これ持って来てって重くないけどでかいなあ。」
「あ、俺が、」
「ありがとう。んじゃそっち持ってくれる?」
「ああ。」
月代とサッカーカゴの両脇を持ち合いながら倉庫を出る。
入れ替わりに次々と他のクラスメイト達が球技器具を持ち運ぶ。
「テニス残念だったね。
 上杉は全勝だったのにな。」
「当たった相手がよかったんだ。
 五条があたったのは部こそ入っていない経験者だった。」
「そっか。
 でも負けなしだったんだ、すごいよ。」
うへへ。と夕焼け色の笑顔。
「月代たちの方がすごい。優勝おめでとう。」
「おう!サンキュ。
 あれは楽しかったよ。」
「だろうな。すごく楽しそうだった。
 それから、サッカーもすごかった。」
「ああ、代役の。
 磯山たいしたことなくてよかったな。」
「ああ。よかった。」
しばらく無言で歩く。
月代が鼻歌なんか歌っているから気まずさはない。
今日大活躍だった月代が隣に居て並んで歩いている。
佐原にも打ち明けてそうしたらこうした状況が生まれた。
ダメなのはもとより承知の恋でも動作を起こせば何かが変る?
「月代、」
「ん~?」
「明日の図書委員、付き合ってもいいか?」
「え?手伝ってくれんの?」
「ああ。その、邪魔でなければ。」
「なんでだよ。大歓迎。
 でも学年委員の仕事はいいの?
 つか、ないならないでたまには休んだ方がよくない?」
「・・・だめか?」
「や、俺は大歓迎だって。
 まあ図書委員つっても明日もどうせたいしてやることないし
 上杉がいいならおいでよ。」
「うん。」
「なんか上杉、」
「なんだ?」
「おもしろい。」
にひっと悪戯な顔で笑った。
面白味のない人間という自覚がある俺に向かって笑った。

片づけを終えて着替えた生徒が帰りだす。
月代は寮にある水品と生田の部屋に行くらしく
彼らと肩を並べて破顔しながらずっと先を歩いている。
校舎のエントランスを出たら佐原が追いついてやって来た。
「佐原、」
「今日はご苦労だったな。お疲れさま。」
「佐原こそ、そのさっき・・・」
「必要だったからたまたまいたやつに声かけただけだ。」
「・・・そうか、ありがとう。」
「話しはできたか?」
「ああ。明日もできそうだ。」

ちょっと無理やりだった気もするけれど
月代が笑ってくれたから今はそれでいい。

「どうも腑に落ちぬのだ。
 上杉が好きだと言うのを隠したい相手と言うのが。」
佐原は続ける。
「詮索はしないと言ったが、上杉を見ていて
 トクベツな視点で月代を観ているように見えた。」
さらに続ける。
「タイプの違う相手に憧れるというのはよくあることだが
 恋をしていて言いよどむ相手と言うなら同性の可能性が高いのではないかと。」

「月代ではないのか?」

ある程度の情報は伝えてあったとはいえ
そんなに簡単に解ってしまうものなのか。
佐原にはそういうふうに映ったということは
やはりどこかしら態度に出ていたのだろう。
しかし同性である相手を名指して怯まず聞いてくれたことにほっとする。

「ああ、月代だ。」
「やはりな。」
「驚かないのか?」
「驚いたさ。思い当たったときはな。」
「その・・心悪いと思わなかったか?」
「ああ、それは思わぬな。」
「どうして?」
「上杉の話に五条を重ねるのは上杉に申し訳ないが
 五条は生田を好いておるからな。あいつのは性質が悪いが。」
「五条が生田を?」
「あいつは好きだと言いながら苛めたがるのだ。
 セクハラなん可愛いものではないぞ。
 生田にその気はないと言うか、本気にしていないから
 冗談だと思って相手しているが状況が状況なら危ない。」
「そ・・うなのか?」
「五条もどこまで本気なのか解らぬから余計危ない。
 上杉は月代になにかしたいのか?」
「え?俺は・・・なにも・・・否、
 もっと知りたい。話がしたい、な。」
「小さい望みだな。
 それはほんとうに恋なのか?」
「こんなふうにひとりの人間が気になるのは初めてなんだ。」
「そうか。
 男子ばかりの偏狭な環境で陥る錯覚でもなさそうだな。
 なにせ上杉は異性に不自由しているようにも見えない。」
「たぶん俺は異性とか同性とか関係なく月代が・・・」
「好きなのだな。
 上杉が月代をな・・・不思議なものだ。
 月代と言えば此花さんもそんなことを言っていたな。」
「此花さんが?」
「ところ構わず言っているから挨拶の如く慣れてしまったが
 どこまで本気なのか。」
「そうか。」
そういえばそんなことを言っていた気がする。
月代のいなし方が柔らかく自然だったから気にしていなかった。
「俺はホモフォビアではないから
 別に毛嫌いもしないし恋愛は自由だと思うぞ。
 ただ、上杉のような恋愛に不自由しないタイプが
 わざわざ同性の月代じゃなくてもいいものをとは思うが。」
「佐原、」
「言い過ぎたならすまん。
 それでも俺は変らんと言いたかったのだ。
 どこまで助言できるか解らんが相談はのるぞ。」
「ああ、ありがとう。
 我ながら妙な感情を抱いているとは思う。
 邪険にされなくてよかった。ありがとう佐原。」
「俺が誰かをそのように好きになった時には相談させてもらう。」
「ああ、勿論。」
「なあ、上杉。
 月代のどこが好きになったのだ?」
「どこといえばいいんだろうな。」
「成績、とか運動神経、とかではないのだろう?」
「それも含めて月代だからなんともいえないが
 それがなくてもたぶん惹かれたんだろうと思う。
 なんだろうな。
 振り向き様に笑った顔も応援の後のかすれた声も
 いちいち目を奪われるし好きなんだ。」
「そうか。
 もっと話せるといいな。」
「ああ。」

ああ。そうだな。そうだといいな。
「そろそろ球技大会の片付けの準備に掛かろうか。」
「ああ、そうだな。」
「先に鍵をとって倉庫のドアを開けておいてくれるか。
 俺はクラスの者へ指示を出してから行く。」
「ああ、頼む。」
佐原は大人だなと思う。
それに気の回るし頼りになる。
佐原が月代を好きになったらどんなふうにするんだろう。
バカなことを。とありもしない妄想を打ち消すように頭を振る。
 

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